米がん協会のレポートを読めば、アナタも絶対禁煙できる「肺がん―死亡数1位」

アメリカがん協会が毎年発行する「がんの現状と数値」をじっくり読めば、タバコの怖さを再認識して、きっと禁煙できるハズ。

2013年度版のアメリカがん協会のレポートによると、がんの死亡率ナンバーワンは「肺がん」。実は、男性のがん死亡率は1955年以来、他のがんの死亡率を大きく引き離して「肺がん」がトップ。女性のがん死亡率を見ると、1988年に下降する乳がんの死亡率を上回ってから不動の1位。

国立がん研究センターによる2011年度の日本の肺がん死亡数は、男性では1位が肺がん、女性では1位が大腸、2位が肺がんとなっており、肺がん患者の5年生存率は、膵臓(すいぞう)がん、胆のうがんの次に低い。

アメリカがん協会は、肺がんの死因の87パーセント、すべてのがんの死因の最低30パーセントが喫煙にあると報告する。喫煙は肺がんを引き起こすだけではなく、口、鼻、唇のがんや食道がんなど、17のがんのリスクを上昇させる。

その他に、心臓病、脳血管の病気や慢性気管支炎、気腫の主な原因となり、胃潰瘍とも関係がある。

全ステージを一緒にした5年生存率は、米国では16パーセント。ステージ1で発見されれば、生存率は53パーセントだが、ステージ1で肺がんと診断された患者はわずか15パーセント!つまり、肺がんと診断されてからでは遅いのだ。

罹患(りかん)率が高い女性特有の乳がんや男性の前立腺がんとの数値を比較しても、肺がんの生存率がいかに低いかがわかる(米国2013年度予測)。

●女性の乳がん/女性の肺がん・気管支がん

罹患数予測232,340件/罹患数予測110,110件
死亡数予測 39,620件/死亡数予測 72,220件

●男性の前立腺がん/男性の肺がん・気管支がん

罹患数予測238,590件/罹患数予測118,080件
死亡数予測 29,720件/死亡数予測 87,260件

白人、アフリカ系、アジア系、ラテン系の人種別で見ても、肺がんの死亡率はナンバーワンだ。

喫煙者は、自分の健康だけではなく、周囲の人の健康を害する「セカンドハンド・スモーク(SHS)」(受動喫煙、二次被害)のことも頭に入れておかなければならない。毎年、受動喫煙の結果、3,400人のノン・スモーカーが肺がんで死亡している。また、断定的ではないが、受動喫煙と乳がんの関係を示唆する研究結果も複数ある。

肺がんになってからでは遅い。これを読んでも、禁煙しない理由は何ですか?

参考:Cancer Facts & Figures 2013 by American Cancer Society.
http://www.cancer.org/acs/groups/content/@epidemiologysurveilance/documents/document/acspc-036845.pdf