前場の東京株式市場で日経平均は大幅続伸。10月31日以来7営業日ぶりに1万4500円を回復した。前日の米ダウ工業株30種が小幅に過去最高値を更新したことや、為替も円安方向に振れるなど外部環境の改善が好感され買いが先行した。
戻り待ちの売りや株式の軽減税率廃止を控えた個人の売りなどで伸び悩む場面もあったが、ドル/円が99円台半ばまで円安に進むと先物に買いが入り指数を押し上げた。
先週末に発表された10月米雇用統計が強い内容だったことで、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小開始時期が予想より早まるとの観測が再浮上。市場には円安期待が高まっている。「先物に仕掛け的な買いが入った。ECB利下げ後に積み上げたショートポジションの買い戻しもある。為替が1ドル100円を付ければ日経平均は三角もち合いを上振れるとの期待が出ている。もっとも、現物市場の動きは鈍く指数プレイが中心だ」(ネット系証券トレーダー)という。
東証1部の前場売買代金は1兆円に届かず盛り上がりに欠けた。主要な投資家はFRB次期議長に指名されたイエレン氏による上院銀行委員会での指名承認公聴会(14日)を見極めるまで動きにくいとみられている。
個別銘柄では電通<4324.T>が続伸。11日に発表した2014年3月期業績予想の上方修正を好感した。景気回復を背景に国内の広告市場が堅調に推移する見通し。半面、大林組<1802.T>は軟調。12日付の日本経済新聞朝刊は、同社の2013年4―9月期連結営業利益が前年同期比37%減り、75億円程度(従来予想は80億円)になったようだと報じた。業績下振れを警戒した売りが出た。
東証1部の騰落数は、値上がり1395銘柄に対し、値下がりが247銘柄、変わらずが115銘柄だった。