7日の欧州株式市場は横ばいで終了した。欧州中央銀行(ECB)の予想外の利下げ決定で相場は一時支援されたが、追加の長期資金供給オペ実施に関する発表がなく資金調達懸念が高まるなか周辺国の銀行株に売りが出た。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は0.37ポイント(0.03%)高の1296.95。ECBの利下げ決定を受けて一時1316.42まで上昇し5年ぶり高値を更新した。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は13.42ポイント(0.44%)安の3042.98。一時5年ぶり高値となる3106.64をつけた。
トムソン・ロイターのデータによると、両指数の出来高はともに過去3カ月の平均を大きく上回った。
ECBが長期資金供給オペ(LTRO)の実施を発表せず、ドラギ総裁が会見でも理事会で特に議論しなかったと述べたことから、周辺国の銀行に対する懸念が強まった。
イタリア銀行株指数<.TRXFLDITPBANK>は1%下落。同国のFTSE MIB<.FTMIB>は2.1%安、スペインのIBEX指数<.IBEX>も1%近く下落した。
この日発表された第3・四半期の米国内総生産(GDP)速報値が2012年第3・四半期以来の高い伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小観測が裏付けられたことも相場を圧迫した。
ECBの利下げを受けたユーロ下落で輸出関連株が上昇した。自動車株<.SXAP>は1.5%高。
自動車部品メーカーのコンチネンタル<CONG.DE>は好決算とともに通年目標の引き上げを発表し6.8%高となった。
独スポーツ用品大手アディダス<ADSGn.DE>は第3・四半期決算がさえなかったものの第4・四半期は上向くとの見通しを示し、4%高となった。
エンジニアリング株<.SXNP>、消費財関連株<.SXQP>も買い優勢となった。