前場の東京株式市場で日経平均は続落した。前日の下げの反動もあり、序盤はシカゴの日経平均先物12月限(円建て)1万4445円にさや寄せしたが、上値の重さなどが嫌気され、買い一巡後は下げに転じた。
円相場の強含みとともに先物市場への断続的な売りが出て、一時124円安となった。米量的緩和の早期縮小への警戒感が強まり、投資家はリスク許容度を低下させているほか、三連休を前に手控えムードが強いという。
市場からは「主要企業の決算がまちまちで、海外実需筋は銘柄入れ替えが中心」(国内証券)との声が出ていた。電機株では、2014年3月期最終利益が一転減益予想となったソニー<6758.T>が前日比11%超の下げとなった一方、通期予想を上方修正したパナソニック<6752.T>は年初来高値を更新するなど明暗が分かれた。7─9月期が2年ぶりに最終黒字となったシャープ<6753.T>も堅調だった。
中国国家統計局が発表した10月製造業PMIは51.4となり、市場予想51.2を上回ったほか、HSBCの10月製造業PMI改定値は50.9と速報値と変わらずだった。ただ「米IBM<IBM.N>や米キャタピラー<CAT.N>、コマツ<6301.T>などの決算をみる限り、中国景気への警戒心は解けない」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)といい、マーケットへの影響は限定された。
東証業種別株価指数では、前日に発表された大手海運3社の決算を受けて業績懸念が強まった海運が値下がり率トップ。海運業<.ISHIP.T>は9月4日以来、約2カ月ぶりの安値となった。建設や電気・ガス、証券なども安い。半面、好業績だったソフトバンク<9984.T>の上昇に支えられ、情報・通信は堅調だった。
東証1部の騰落数は、値上がり214銘柄に対し、値下がりが1464銘柄、変わらずが75銘柄だった。