<7963> 興研 - -興研<7963>は、29日引け後に2013年12月期の第3四半期(1-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比15.3%減の51.05億円、営業利益は同57.8%減の2.50億円、経常利益は同58.8%減の2.11億円、純利益は同67.0%減の1.03億円と、減収減益で着地した。

売上高については、主力のマスク関連事業において産業用マスクの震災特需反動減があったが、医療機関向け感染対策用マスクの販売が好調だった。クリーンシステムについては、短期的な売上にはつながらなかったが、引き合い物件数が前第2四半期の250件から今第3四半期に400件を超えるなど好調だった。利益については、経費圧縮に努めたものの、円安による原材料価格の高騰や新製品開発費用の増加などが影響した。

通期予想については2月に発表した計画を据え置き、売上高が前期比0.8%増の84.00億円、営業利益が同12.8%減の6.50億円としている。修正については状況が明らかになり次第、速やかに発表するとしている。

製造業の国内就業者数減に伴い、産業用マスクの需要減が予想される中で、同社は医療分野やクリーン分野にも注力している。期末に向けて、新型インフルエンザやMERSなど新型感染症が大流行した場合、医療用や家庭用のマスク需要が高まる可能性は大きい。同社は10月に家庭用マスク市場参入第1号となる子ども向けマスクを発売するなど、これら大流行の可能性を踏まえた準備を着々と進めている。また、原子力施設向けに市場投入された電動ファン付き呼吸用保護具と防じん・防毒マスクについては、既に全国の原子力施設での採用が相次いでおり、今後は福島第一原子力発電所での受注も期待されよう。

同社は、マスクなどの安全衛生保護具の大手メーカー。防じんマスクや防毒マスクの製造販売を主な事業とする。産業用防じんマスクでトップシェアを持ち、近年は医療用や家庭用にも進出。マスク以外では強酸性水生成装置「オキシライザ」、内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍(かがみないし)」、オープンクリーンシステム「KOACH」を製造販売している。