31日の米国株式市場は続落して引けた。米連邦準備理事会(FRB)が30日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に公表した声明を受け、資産買い入れ(量的緩和)が予想より早期に縮小されるのではないかとの投資家の不安が強まった。

ダウ工業株30種<.DJI>は73.01ドル(0.47%)安の1万5545.75ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は10.91ポイント(0.28%)安の3919.71。

S&P総合500種<.SPX>は6.77ポイント(0.38%)安の1756.54。

FOMCは月額850億ドルの資産買い入れ規模の維持を決めたが、前回まであった金融環境を懸念する文言が削除された。これについて一部の投資家は、FRBが想定よりも早く緩和縮小に動く可能性を示す材料の1つと受け止めた。

ジョーンズトレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「緩和縮小が12月に始まる可能性は残っている」と指摘した。

FOMC前までは、多くの市場参加者は緩和縮小は早くても来年初めとの見方を示していた。

個別銘柄ではクレジットカード世界最大手のビザ<V.N>が3.5%下落。四半期決算が28%の減益となったことが嫌気された。

第3・四半期の実質利益が予想を上回った石油大手のエクソン・モービル<XOM.N>は0.9%上昇した。

オンライン旅行代理店のエクスペディア<EXPE.O>も、第3・四半期利益が予想を上回ったため18%高となった。30日の引け後に発表した第3・四半期決算でモバイル広告収入が堅調な伸びを示したソーシャル・ネットワーキング・サービス大手フェイスブック<FB.O>は2.4%上げた。

S&P総合500種は、取引終了間際に売りが膨らんでほぼ安値引け。

10月全体ではダウ工業株30種は2.8%、S&P総合500種は4.5%、ナスダック総合は3.9%上昇した。

プラチナム・パートナーズのユーリ・ランデスマン社長は「既に株価は相当の高値圏に位置し、まだ上がる可能性はあるが、市場参加者は経済の弱い部分を含めたリスクではなく、リターンにばかり注目している」と述べた。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         15545.75(‐73.01)

前営業日終値    15618.76(‐61.59)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         3919.71(‐10.91)

前営業日終値    3930.62(‐21.72)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1756.54(‐6.77)

前営業日終値    1763.31(‐8.64)