30日の米国株式市場は反落して引けた。米連邦準備理事会(FRB)がこの日まで2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和規模維持を決定したものの、経済成長に対する楽観的な見方をやや後退させたことで売りが出た。
ダウ工業株30種<.DJI>は61.59ドル(0.39%)安の1万5618.76ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は21.72ポイント(0.55%)安の3930.62。
S&P総合500種<.SPX>は8.64ポイント(0.49%)安の1763.31。
FRBの資産買い入れ継続の決定は大方の予想通りだったが、FOMC声明は最高値圏にある株価指数を一段と押し上げるには不十分な内容だった。
フィデューシャリー・トラストの最高投資責任者(CIO)、マイケル・ムラニー氏は「前回と今回の声明は実質的には違いはないが、それでも一部の投資家が見込んでいたほどハト派的でないのは明白だ。強気な市場がやや長引き過ぎただけに、なおさらだ」と述べた。
この日発表された米経済指標は、FRBの刺激策が依然として必要とされていることを示唆する内容となった。10月のADP全米雇用報告は民間部門雇用者数の伸びが4カ月連続で鈍化し、4月以来の小幅な伸びにとどまった。9月の消費者物価指数(CPI)もインフレ圧力が抑制されていることを示した。
飲食店などの検索・評価サイトを手掛ける米イェルプ<YELP.N>は、決算での赤字拡大を嫌い2.6%下落した。国際送金サービス世界最大手の米ウェスタン・ユニオン<WU.N>は大幅減益決算を受けて12.4%下げた。
半面、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は、北米事業の好調などで業績が予想を上回ったことを好感して3.2%上昇した。
JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジスト、アンドレス・ガルシアアマヤ氏は「各社の決算は目を見張るほど素晴らしくはないが、堅調で安定しており、株式市場は最高値を更新してきた」とした上で、「決算シーズンが終われば再びマクロに関心が戻り、それは市場にとっては多分ありがたくないことだろう」と述べた。
トムソン・ロイターのデータによると、S&P総合500種構成企業で決算発表を終えた313社のうち68.4%の利益が市場予想を上回り、1994年以降の平均の63%を上回った。一方、売上高が予想を上回った企業は53.7%で、2002年以降の平均の61%を下回った。
この日はニューヨーク証券取引所とナスダックで約70%の銘柄が下げ、S&P500種のセクター別の10指数はすべて下落した。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 15618.76(‐61.59)
前営業日終値 15680.35(+111.42)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 3930.62(‐21.72)
前営業日終値 3952.34(+12.21)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1763.31(‐8.64)
前営業日終値 1771.95(+9.84)