昼間に交感神経の働きが高まり、夜に副交感神経の働きが高まっていれば、その人は正常

最近なんだか体がだるい、ベッドに入ってもなかなか寝つけない、ちょっとしたことで気分が落ち込む……。働いている女性なら、誰もがこんな症状を経験したことがあるはず。たいていの人が「これくらいなら、たいしたことないでしょ」と放っておきがちだが、心療内科医でミチワクリニック院長の佐久間一穂さんは「それらの症状は、自律神経の乱れが原因で起こることが多い」と話す。

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ほかにもこんな意外な症状が、自律神経のバランスの崩れによって起こるという。

「自律神経が正常に働かなくなると、その人がもともと弱い部分に症状が現れます。循環器系が弱い人なら動悸や血圧の異常、呼吸器系が弱い人なら息苦しさや過呼吸などが起こりやすくなりますし、婦人科系が弱い人なら、生理不順や月経前症候群が起こりやすくなります。

腹痛や便秘など消化器系の症状が出る人も多いのですが、若い女性には『心因性嘔吐症』という症状もよく見られます。これは頻繁に吐き気をもよおすようになるもので、『食事をすると吐いてしまうのでは』と心配するあまり、外食や飲み会にも行けなくなってしまう。同僚や友人と食事を楽しむこともできなくなり、人間関係が狭くなってしまったと相談に来られる患者さんもいるんですよ」(佐久間先生)

そんなことになれば、日常生活や仕事にまで支障を来たすことに。さらに、これらの症状を放っておくと、うつ病やパニック障害を併発したり、不整脈や糖尿病といった重い心身症につながる危険性もある。

「もしかして自律神経のバランスが崩れているのかな」と思ったら、一度病院できちんと検査を受けてみるべき。

■数値で自律神経のバランスが分かる自律神経検査

現在、多くの病院で心電図測定や血圧測定による自律神経検査を行っているが、一時的な状態しか調べられない簡易的な検査が多い。しかし、ミチワクリニックでは、大学病院で導入している24時間を通して自律神経の動きを計測できる検査を用いている。

「ポケットサイズの小さな心電計を使うので、普段と同じ生活を送りながら、検査をすることが可能です。胸部に小さな送電器を貼り付けたら、あとはいつも通りに仕事をしたり、家で過ごしてOK。一日を通した自律神経の動きが分かるので、検査した方にはそれをグラフ(※トップ画像参照)化してお見せします」(佐久間先生)

自律神経検査をすれば、数値で結果が出るので、交感神経と副交感神経のどちらか一方に問題があるのか、あるいは両方に問題があるのか、といったことも一目瞭然。生活習慣の改善や治療もしやすいという。

「夜になっても交感神経が活発なままの人であれば、深夜まで残業をしていたり、昼夜逆転の生活を送っていたりと、ライフスタイルに問題がある人が多いので、それを改善するためのアドバイスをします」(佐久間先生)

そこで佐久間先生に、働く女性たちがやってしまいがちな「自律神経のバランスを崩すNG行動」を教えてもらった。自分の生活を振り返ってみて。