28日の米国株式市場は、S&P総合500種が過去最高値を更新して引けた。米連邦準備理事会(FRB)が29─30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和の規模を現在の水準に維持するとの観測から上昇した。
ただ、全体としては小幅な値動きとなり、ダウ工業株30種とナスダック総合はやや下落して終了した。
ダウ工業株30種<.DJI>は1.35ドル(0.01%)安の1万5568.93ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は3.23ポイント(0.08%)安の3940.13。
S&P総合500種<.SPX>は2.34ポイント(0.13%)高の1762.11。
アップル<AAPL.O>は取引終了後に発表される四半期決算を控え、通常取引で0.7%上昇した。だが、決算発表を受け、時間外取引では5%下げた。
医薬品のメルク<MRK.N>は2.6%下落し、ダウ工業株30種を押し下げた。四半期決算で主力の糖尿病治療薬「ジャヌビア」の売上高が減少し、主力製品をめぐる懸念が強まった。
一方でバイオ医薬品のバイオジェン・アイデック<BIIB.O>は0.9%高。第3・四半期決算が増益となり、通年の業績見通しを上方修正した。
米肥料大手のモザイク<MOS.N>は、同業のCFインダストリーズ・ホールディングス<CF.N>からリン酸塩事業を12億ドルで買い取る方針を明らかにした。CFインダストリーズは4.2%高。モザイクも1.6%上昇した。
難航していた米財政協議の決着に伴う安心感や、FRBが少なくも向こう数カ月は金融緩和を維持するとの期待感が、相場を押し上げている。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの首席投資ストラテジスト、マーク・ラスチーニ氏は、市場参加者はFOMCの結果を待っているとしながらも、「何を待っているのかが分からない。FRBが財政問題について繰り返し指摘しているという事実を踏まえると、私はFRBの政策が今週変更されるとは予想していない」と述べた。その上で、現在の相場水準では、景気が実際に力強さを増していることを示す証拠を伴わない株価の上昇は合理的ではないとの見方を示した。
この日発表された米経済指標では、9月の鉱工業生産で製造業部門の生産は小幅なプラスにとどまった。また9月の住宅販売保留指数は約3年半ぶりの大幅な低下となった。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 15568.93(‐1.35)
前営業日終値 15570.28(+61.07)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 3940.13(‐3.23)
前営業日終値 3943.36(+14.40)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1762.11(+2.34)
前営業日終値 1759.77(+7.70)
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