国家公務員共済組合連合会(国共済年金、KKR)が株式などリスク資産での運用比率をこれまでより高める見通しとなった。複数の関係筋がロイターの取材に対し明らかにした。同年金の資産運用委員会(委員長、貝塚啓明・財務総合政策研究所顧問)は10月中旬に開いた会合ですでに承認しており、内部手続きを踏まえ11月にも正式決定する。
KKRが年度途中で運用比率を見直すのは今回が初めて。
公的年金の運用見直しをめぐっては、世界最大の資金を抱える年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年6月に国債の比率を引き下げ、国内外の株式での運用を増やす変更を行った。今回の見直しはそれに続く動きで、ほかの年金運用にも影響を与えそうだ。
関係筋によると、今回の見直しにより国債での運用比率が低下する一方、国内株式などでの運用が増える。
KKRは、2013年3月末までに積み立てられた7.8兆円のうち8割を国債で運用してきた。しかし、アベノミクスに伴う円安・株高で定められた比率を維持するのが困難になったため、比率そのものを見直す。
KKRは、今年8月から民間の年金コンサルタントとともに今の資産構成が妥当かどうかの検証に着手。今月中旬に開催された資産運用委員会で国債比率を引き下げ、株の比率を上げることを了承した。来月にも16人の組合員から成る運営審議会での判断を踏まえ、正式に決める。
これまでは国内債券80.0%、国内株式5.0%、外国株式5.0%、短期資産4.0%、不動産2.0%、貸付金4.0%の割合(外国債券はゼロ)になるよう保有資産を運用し、13年3月末は国内債券78.8%、国内株式6.8%、外国債券1.2%、外国株式5.3%、短期資産2.7%、不動産2.2%、貸付金3.0%だった。
KKR総務部は「検証の進ちょく状況についてはコメントできない」としている。