前場の東京株式市場で日経平均は反落。前日の米国株は反発したが、外為市場での円高止まりを背景に先物売りが強まった。

日経平均は一時191円安となり、1万4300円を下回る場面があった。短期筋による需給主導で上昇した前日後場の反動に加え、上海総合指数<.SSEC>などアジア株が引き続き弱含みで推移し、日本株の重しになったという。

外為市場でドル/円が97.20円付近に下落すると、先物市場への断続的な売りが強まった。「海外勢からの現物株への注文が乏しい」(外資系証券トレーダー)なかで、先物主導の展開が続いているという。みずほ証券エクイティ調査部シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は「ドル/円が200日移動平均線を下回り、ドル安/円高進行を警戒して先物主導で値を下げている。オーバーナイトでポジションを持たない短期筋の需給動向に左右される格好」と述べた。

一方、個別銘柄では好業績の銘柄を拾う動きもみられた。前日に業績予想の上方修正を発表した村田製作所<6981.T>や三菱自動車工業<7211.T>、富士通ゼネラル<6755.T>などが買い優勢となったほか、日本電産<6594.T>も年初来高値圏を維持した。スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)で音声通話やメールが無料でできるアプリ「LINE」を運営するLINE(東京・渋谷)の上場観測報道から、ネオス<3627.T>など中小型の関連銘柄への物色も目立った。

半面、キヤノン<7751.T>は続落。24日、2013年12月期の連結営業利益(米国会計基準)を3800億円から前年比11.2%増の3600億円に下方修正したことが嫌気された。ソフトバンク<9984.T>も反落し、前日比で3%超の下げとなった。

東証1部の騰落数は、値上がり374銘柄に対し、値下がりが1243銘柄、変わらずが138銘柄だった。

(杉山容俊)

日経平均<.N225>

前場終値 14312.72 -173.69

寄り付き 14439.14

安値/高値 14294.46─14442.12

東証出来高(万株) 112556

東証売買代金(億円) 8865.90