日経平均は下落。173.69円安の14312.72円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引 を終えた。海外株高の波及はみられず、シカゴ先物の弱い動きから、これにサヤ寄せす る格好で売りが先行。為替市場ではドル・円が1ドル97円30銭辺りで推移しており、米 量的緩和政策の長期化によって円安に振れづらく、上値の重し。また、足下で相場のけ ん引役として強い動きが続いていたソフトバンク<9984>が3%を超える下げとなるな か、幅広い銘柄に利益確定の売りが出ているようである。 一方、個人主体による売買は活発であり、LINEは2014年夏をメドに東証に上場する方 針を固めたと報じられ、アドウェイズ<2489>、ネオス<3627>など関連銘柄に資金が流入 している。セクターでは保険のみがプラスであり、情報通信、パルプ紙、陸運、電力ガ ス、化学、銀行、倉庫運輸、その他製品、その他金融などが弱い。東証1部の騰落銘柄 は、値下がり数が全体の7割を占めている。 ソフトバンク<9984>の下げにより、リバウンドは期待しづらい状況であり、週末要因 から次第に様子見姿勢が強まる可能性がある。日経平均は結果的に25日線を支持線に変 えることができず、ボリンジャーバンドでは-1σとのレンジが意識されるため、14200- 14500円辺りでの推移に。日銀によるETF買い入れによる下支えは意識されるが、ソフト バンクの指数インパクトに加えて、心理的な影響も大きいとみられ、昨日同様、ソフト バンクを睨みながらの展開に。 物色としては決算を手掛かりにした流れが強まりやすいため、13時発表予定のアツギ <3529>、日立キャピ<8586>、だいこう<8692>、京阪神ビ<8818>、エスリード<8877>、14 時に発表予定のJFE<5411>、三晃金<1972>、積水樹脂<4212>、エックスネット<4762>、 KADOKAWA<9477>、アイネス<9742>などの動向が注目される。