米労働省が22日に発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万8000人増にとどまり、市場予想の18万人増を大きく下回った。
市場関係者は、財政協議をめぐる米議会の混乱以前から米労働市場は既に軟調になっていた可能性があるとの見方を示した。
一方で、9月の雇用統計はFRBが量的緩和縮小を来年まで先送りするとの見方を支える結果となった。
個別ではスウェーデンのスウェドバンク<SWEDa.ST>が3.6%高。第3・四半期の営業利益が予想を上回ったことを好感した。
英日用品レキット・ベンキーザー<RB.L> も5.2%急伸。第3・四半期決算が増収となったほか、売り上げの低迷する医薬品部門について選択肢を検討していると明らかにしたことが支援した。
<ユーロ圏債券> 9月の米雇用統計が予想より悪かったことを受け米緩和縮小開始の時期がさらに遅れるとの観測が台頭、独連邦債先物が2週間ぶり高値に上昇した。
9月の米雇用統計は本来は4日発表予定だったが、米議会で暫定予算案が不成立となり一部政府機関が1日から閉鎖されたため、延期されていた。
同統計では非農業部門雇用者数の増加数が14万8000人にとどまり、市場予想の18万人を大きく下回った。景気失速が示唆されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小開始時期をめぐり慎重姿勢を強める公算が大きいとの見方も出ている。
ICAPのストラテジスト、フィリップ・タイソン氏は「予想より明らかに悪く、FRBによる緩和規模縮小開始が来年にずれ込むとの観測を裏付けるものだった」と述べた。
独連邦債先物は63ティック高の140.54で取引を終えた。米雇用統計発表前は前日比ほぼ横ばいで推移していた。前週16日に米国が土壇場でデフォルトを回避してからの上昇幅は150ティックを超えている。
現物市場では独10年債利回りが1.79%と、5.5ベーシスポイント(bp)低下した。
スペイン10年債利回りは4.21%、イタリア10年債利回りは4.12%と、ぞれぞれ7bp低下した。
市場の次の注目は、24日発表の10月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)と、25日発表の独IFO経済研究所の10月の業況指数。
コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デビッド・シュナウツ氏は、「結果が思わしくなければ、欧州中央銀行(ECB)が追加長期流動性供給オペ(LTRO)を実施するのではないかとの観測から急上昇する」と予想。
同氏はまた、23日に独政府が実施する最大20億ユーロの30年債入札について、世界的に緩和的な金融政策が維持されるとの見通しが出ていることで、市場環境はこれまでになく良好になっているとの見方を示した。