22日の米国株式市場は上昇。S&P総合500種が連日で過去最高値を更新した。9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の増加幅が市場予想を大きく下回り、連邦準備理事会(FRB)が来年にかけて量的緩和を維持するとの見方が裏付けられた。

四半期利益が予想を上回った日用品大手のキンバリークラーク<KMB.N>が4.2%上昇するなど、日用品株の値上がりが大きかった。

反面、前日に決算発表を受けて上昇していたオンライン動画配信大手ネットフリックス<NFLX.O>は9%安。同株を初め今年最も大幅に上昇した銘柄が幾つか下げたため、ナスダックの上昇幅は限定的だった。

アップル<AAPL.O>は0.3%安となったが、従来の「iPad(アイパッド)」より薄くて軽い「アイパッド・エア」を発表した後は下げ渋った。

ダウ工業株30種<.DJI>は75.46ドル(0.49%)高の1万5467.66ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は9.52ポイント(0.24%)高の3929.57。

S&P総合500種<.SPX>は10.01ポイント(0.57%)高の1754.67。

多くのエコノミストは今、FRBが来年に入るまで量的緩和規模の縮小に着手しないと考えている。ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの地域最高投資責任者、ダレル・クロンク氏は「雇用統計の数字が今回も弱かったため、FRBは今年のクリスマス休暇まで850億ドル規模の債券買い入れプログラムを維持し、おそらくそのままの規模で新年を迎えるとの見方に変化はない。これは市場に歓迎される」と述べた。

海洋掘削受託のトランスオーシャン<RIG.N>は6%高。28日の取引終了後から、パソコンのデル<DELL.O>に代わってS&P500種の構成銘柄に採用されるとの発表が好感された。

22日朝までのトムソン・ロイターのデータによると、S&P500種採用企業の中で既に決算発表を行った128社中、63.3%がアナリストの利益予想を上回った。これは1994年以来の平均に沿った水準だが、過去4四半期の66%は下回っている。売上高が予想を上回ったのは52.3%で、2002年以来の61%を下回ったが、過去4四半期の49%はわずかに上回った。

ニューヨーク証券取引所では上昇銘柄数が2210、下落銘柄数が805となった 。ナスダックでは上昇銘柄数1397に対し下落銘柄数が1148。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値           15467.66(+75.46)

前営業日終値    15392.20(‐ 7.45)

ナスダック総合<.IXIC>

終値           3929.57(+9.52)

前営業日終値    3920.05(+5.77)

S&P総合500種<.SPX>

終値           1754.67(+10.01)

前営業日終値    1744.66(+ 0.16)