日本生殖医学会では、独身女性が若くて妊娠できる可能性の高い状態の卵子を、凍結することを許可する指針案を発表し、話題を呼びました。妊娠適齢期を女性が自分で選ぶ”予防医学”が認められ始めたということです。

40歳前後で不妊に悩む女性が増える中、晩婚化やキャリアウーマンの増加により、妊娠適齢期に女性が妊娠できる社会状況にないことも大きな議論に。しかし高齢出産は母体にもリスクがあるばかりでなく、高齢出産といわれる年齢の女性がかかりやすい歯周病が、胎児に与える影響が大きいことをご存じでしたか?

今回はコウノトリを待っている女性に知っておいて欲しい、妊娠前に治しておきたい歯周病のお話をご紹介します。



■歯周病がお腹の赤ちゃんに与える影響

歯周病の病原菌から出る毒素は、胎盤を伝わって胎児の成長を邪魔することがあります。その菌は子宮筋を収縮させることで早産につながったり、菌が胎児に感染する場合も。羊膜に感染すると、まだ週数が十分でない妊娠に、早期破水を起こさせる場合もあります。

切迫早産と診断された母体は、通常分娩の場合と比べて重度の歯周病が多かったという結果も鹿児島大学からでています。しかし妊婦さんにアンケートを取ったところ、この事実を知っていたのはたったの35%で、残りの65%の女性たちは知らないと答えました。



■歯肉と全身の健康には深い関わりが

3大成人病のひとつである糖尿病を発症していると、歯周病も悪化することがわかっています。

糖尿病を発症していると基礎代謝が落ちるので、口内代謝の悪化につながります。そして、唾液の減少により口腔内が乾燥したり、免疫機能の低下を招くという結果になるのだそうです。歯周病治療をすれば、糖尿病が改善されるという逆思考の治療も考え始められているとか。

出産を考えている方は歯肉と全身の関係をよく理解して、歯が痛くなくても歯科検診を受けたほうがよさそうです。



■体内の酸化ストレスを減らすことで改善

酸化ストレスとは、アンチエイジングを考えるときには欠かせない活性酸素による体内悪影響のことをさします。この酸化ストレスのバランスが上手にとれている体は若々しくあり続けられ、バランスを崩すと一気に老化につながってしまうとも考えられています。

岡山大学大学院の友藤孝明先生によると、”体内のサビ”とも言われる酸化ストレスが多い人と、そうでない人を比べた場合、酸化ストレスが多い人ほど歯周病になる率が高かったそうです。活性酸素を減らそうと意識することは歯周病予防にもつながるのですね。



気付かないうちに進行している可能性がある歯周病。妊娠を考えている方は、ぜひその前に歯科で検診を受けて、健康な赤ちゃんを産んでくださいね。http://netallica.yahoo.co.jp/news/20131018-00010000-biranger