8日後場の日経平均株価は前日比41円29銭高の1万3894円61銭と5営業日ぶりに反発。後場寄り付きは買いが先行し、上げに転じて小高く始まった。その後、円相場が弱含むとともに株価指数先物にまとまった買い物が入り、午後零時42分に1万3910円07銭(前日比56円75銭高)まで上昇。買い一巡後に伸び悩む場面もあったが、円が再び弱含むにつれ、買い戻しや押し目買いを誘い、午後1時44分に1万3915円77銭(同62円45銭高)とやや上げ幅を広げた。

その後いったん押し戻されたが、株価指数先物買いを交えて再び上げ基調を強め、午後2時46分には、この日の高値となる1万3929円64銭(同76円32銭高)を付ける場面があった。ただ、買い進む動きは限定的で、引けにかけては売り物がちとなり、1万3900円台は維持できなかった。東証1部の出来高は24億4683万株。売買代金は1兆8954億円。騰落銘柄数は値上がり915銘柄、値下がり727銘柄、変わらず110銘柄。

市場からは「為替動向も絡めて、債券先物買い・株価指数先物売りポジションの巻き戻しが、指数上昇につながった。もっとも、反発力にインパクトはない。米財政問題に関して織り込みが進んでいるようだが、やはり最終的に解決するまでは不安定な相場が続くみている」(準大手証券)との声が聞かれた。

業種別では、東電<9501、株価 - チャート>、北海電<9509、株価 - チャート>などの電力株に買いが継続し、値上がり率トップを維持。バルチック海運指数の上昇を映し、郵船<9101、株価 - チャート>、商船三井<9104、株価 - チャート>などの海運株も引き続き堅調。アイフル<8515、株価 - チャート>、アコム<8572、株価 - チャート>などのその他金融株や、大和証G<8601、株価 - チャート>、野村<8604、株価 - チャート>などの証券株も引き締まった。住友不<8830、株価 - チャート>、野村不HD<3231、株価 - チャート>などの不動産株や、大成建<1801、株価 - チャート>、清水建<1803、株価 - チャート>などの建設株も高い。建設セクターでは、東急建設<1720、株価 - チャート>、熊谷組<1861、株価 - チャート>などが値上がり率上位にランクされた。

個別では、ヤフー<4689、株価 - チャート>のe-コマース事業の新戦略で、広告仲介事業の拡大が期待された同社子会社のVコマース<2491、株価 - チャート>がストップ高に値上がり率トップ。13年9月中間期の連結最終損益が一転黒字、8期ぶり復配見通しが伝えられたOKI<6703、株価 - チャート>や、ソフトバンテ<4726、株価 - チャート>、新電元<6844、株価 - チャート>などの上げも目立った。

半面、明治HD<2269、株価 - チャート>、味の素<2802、株価 - チャート>などの食料品株が売られ、値下がり率トップ。小野薬<4528、株価 - チャート>、大塚HD<4578、株価 - チャート>などの医薬品株も軟調。ヤフー<4689、株価 - チャート>、ソフトバンク<9984、株価 - チャート>などの情報通信株も値を下げた。鉱業株では国際帝石<1605、株価 - チャート>がさえず、空運株ではJAL<9201、株価 - チャート>が下落した。ソニー<6758、株価 - チャート>、パイオニア<6773、株価 - チャート>などの電機株も安い。

個別では、東証が8日売買分から委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)に引き上げたチタン工業<4098、株価 - チャート>に売りが続き、値下がり率トップのまま。13年8月中間期ならびに14年2月期の連結業績予想を下方修正したヤマダSXL<1919、株価 - チャート>や、スタートトゥ<3092、株価 - チャート>、クレオス<8101、株価 - チャート>なども下落した。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、21業種が上昇した。