8日前場の日経平均株価は前日比10円31銭安の1万3843円01銭と5日続落。7日の米国株安や円高を受け、寄り付きから売りが先行した。株価指数先物売りを交えて下げ幅を広げ、午前10時7分に1万3748円94銭(前日比104円38銭安)まで下落した。後半は、円相場がやや伸び悩んだこともあり、買い戻しや押し目買いに下げ渋り、午前10時47分には1万3847円33銭(同5円99銭安)まで引き戻す場面があった。引けにかけても底堅く、小安い水準を保った。

東証1部の出来高は14億4070万株。売買代金は9303億円。騰落銘柄数は値上がり708銘柄、値下がり901銘柄、変わらず143銘柄。

市場からは「きのうまで日経平均は4連敗し、ショートカバー(買い戻し)を誘い、自律反発的な動きも期待される。ただし、米国株式市場は、財政問題をめぐる与野党の合意催促相場の格好にあり、今後も米国株安、円高への懸念から、不安定な相場が続くとみられる」(銀行系証券)との声が聞かれた。

業種別では、Eコマース事業の新戦略としてネットショッピングのストア出店料や売上ロイヤルティーの無料化を発表したことで、収益低下が懸念されたヤフー<4689、株価 - チャート>や、ソフトバンク<9984、株価 - チャート>などの情報通信株が下落し、値下がり率トップ。NY原油先物安を映し、国際帝石<1605、株価 - チャート>、石油資源<1662、株価 - チャート>などの鉱業株も軟調。第一生命<8750、株価 - チャート>、ソニーFH<8729、株価 - チャート>などの保険株も売られ、JT<2914、株価 - チャート>、味の素<2802、株価 - チャート>などの食料品株も値を下げた。トヨタ<7203、株価 - チャート>、日野自<7205、株価 - チャート>などの自動車株や、ソニー<6758、株価 - チャート>、パイオニア<6773、株価 - チャート>などの電機株もさえない。

個別では、東証が8日売買分から委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)に引き上げたチタン工業<4098、株価 - チャート>が値下がり率トップ。13年8月中間期ならびに14年2月期の連結業績予想を下方修正したヤマダSXL<1919、株価 - チャート>や、ネオス<3627、株価 - チャート>、NEXYZ<4346、株価 - チャート>、クレオス<8101、株価 - チャート>なども下落した。

半面、東電<9501、株価 - チャート>、北海電<9509、株価 - チャート>などの電力株が上昇し、値上がり率トップ。バルチック海運指数の上昇を映し、郵船<9101、株価 - チャート>、商船三井<9104、株価 - チャート>などの海運株も買われた。住友不<8830、株価 - チャート>、野村不HD<3231、株価 - チャート>などの不動産株や、大成建<1801、株価 - チャート>、清水建<1803、株価 - チャート>などの建設株も高い。建設セクターでは、東急建設<1720、株価 - チャート>、熊谷組<1861、株価 - チャート>、鉄建<1815、株価 - チャート>、大豊建<1822、株価 - チャート>などが値上がり率上位にランクされた。野村<8604、株価 - チャート>などの証券株や、アイフル<8515、株価 - チャート>などのその他金融株もしっかり。

個別では、ヤフー<4689、株価 - チャート>のEコマース事業の新戦略で、広告仲介事業の拡大が期待された同社子会社のVコマース<2491、株価 - チャート>が一時ストップ高に値上がり率トップ。13年9月中間期の連結最終損益が一転黒字、8期ぶり復配見通しが伝えられたOKI<6703、株価 - チャート>や、デイシイ<5234、株価 - チャート>、冶金工<5480、株価 - チャート>なども高い。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、18業種が下落した。