前場の東京株式市場で日経平均は5日続落した。米財政協議が進展せず前日の米国株が大幅下落。為替も一時1ドル96円台半ば付近まで円高に振れたことで朝方は輸出株などに売りが先行した。
先物安に伴う裁定解消売りもあり下げ幅は一時100円を超えたが、日本株は9月末以降の下落ピッチが速く、短期的に下げ過ぎとの見方から押し目買いや先物への買い戻しが入り、前引けにかけて下げ渋る展開となった。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議など世界の主要会議で米財政問題の解決を求める動きが出てきたことも金融市場の混乱収束への期待につながっている。市場では「米財政協議の先行き不透明感で全体の上値は重いが、世界景気の回復基調が崩れるとは考えにくい。好業績が期待できる銘柄が個別に買われて相場を下支えしている」(内藤証券投資情報本部部長の浅井陽造氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、沖電気工業<6703.T>が反発。2013年9月中間期の連結最終損益が10億円程度の黒字に転換したもようで、期末には8期ぶりの復配見通しとの一部報道が材料視された。半面、ヤフー<4689.T>は急反落。7日に発表したネット販売事業の新戦略について、短期的に利益面を圧迫するとの懸念が先行した。
東証1部の騰落数は、値上がり708銘柄に対し、値下がりが901銘柄、変わらずが143銘柄だった。