前場の東京株式市場で日経平均は小幅続落。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの見方から前日の米国株が反落したうえ、外為市場でドル/円が一時、8月下旬以来の安値を付けるなどドル安/円高に進んだことが重しとなり売りが先行。前日に300円以上下落した反動から押し目買いが入りやすく、円相場が1ドル97円後半へと伸び悩むとプラス圏に浮上する場面もあったが、買いは続かなかった。TOPIXは小反発。
米財政協議の混迷が引き続き株価の重しとして意識されている。ホワイトハウスによると、オバマ米大統領は現地2日、議会指導部との協議で、政府機関閉鎖や債務上限引き上げの問題をめぐって、共和党との条件交渉には応じないとの意向をあらためて示した。「オバマ米大統領と米議会トップとの協議が物別れに終わったこともあり、失望売りを誘った」(野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの山内正一郎氏)との声が出ていた。
財務省が3日に発表した9月22日―9月28日の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、対内株式投資は3414億円の資本流入超となった。流入超は4週連続。ただ「安倍首相の会見内容では、期待されていた法人税引き下げの時間軸がみえず、海外の短期筋が出尽くし感から売りに回る可能性がある」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)と指摘された。
個別銘柄では、グリー<3632.T>が続落し、年初来安値を更新した。2日、200人の希望退職者を募集すると発表。業績が振るわないなか、収益性を上げるため事業規模を適正化するとしている。事業環境の悪化を懸念する売りが先行した。
半面、電通<4324.T>が4日ぶり反発。2日、ロシアの広告会社であるトラフィック社の株式100%を同社株主から取得することで合意したと発表し、材料視された。
東証1部の騰落数は、値上がり756銘柄に対し、値下がりが835銘柄、変わらずが161銘柄だった。