「物言う株主」ダニエル・ローブ氏のヘッジファンド、サード・ポイントは、英競売大手サザビーズ<BID.N>の株式保有比率を8月15日時点の5.7%から9.3%に引き上げ、リーダーシップや戦略の方向性への懸念から同社のルプレヒト会長兼最高経営責任者(CEO)に退任を要求した。サード・ポイントが監督当局に提出した書簡の公開で明らかになった。同社は今回の保有比率引き上げで、サザビーズの筆頭株主に浮上している。
ローブ氏は、サザビーズの取締役会に席が得られた場合、ルプレヒト氏を退任させた後、会長とCEOを分離する意向だという。
サード・ポイントは書簡で「ここ数年間の現代モダンアートの売り上げをみて分かる通り、サザビーズの営業利益率が慢性的に低く、クリスティーズに比べて競争力が低下していることでわれわれは不利益を被っている」と主張。「サザビーズの不振は、最高レベルの経営者にリーダーシップと戦略的ビジョンがないことが原因との結論に達した」との意見を表明した。