イングランド銀行(英中銀)のフィッシャー理事は2日、住宅価格の上昇ペースは加速しているものの、バブルの兆候はまだ出ていないとの認識を示した。
理事は講演原稿で「中銀が慢心し、住宅市場の過度な拡大を通じ金融安定リスクが増大するような事態を許容することは決していないとご安心いただきたい」と述べた。
その上で、借り手、貸し手双方とも過剰な借り入れや貸し出しを行わないよう慎重を期すべきとした。
また最近の英短期金利上昇について、流動性の不足が一因である可能性があると指摘。米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小観測から上昇傾向にある米国の短期金利と連れ高の状況になっていることは、「英経済の回復が比較的抑制されていることを踏まえると有益ではない」との考えを示した。
流動性が改善し、両国の経済見通しがさらに進化するに従い、「英米短期金利の相関関係は途絶える公算が大きい」と述べた。