東京株式市場で日経平均は小反発。市場予想を上回った9月日銀短観に加え、米議会が暫定予算の成立で妥協するとの見方が広がり、一時187円高となった。

ただ米政府機関の一部閉鎖を背景に上げ幅を縮小。安倍首相が消費税引き上げを表明すると一時的に値を戻したが、先物主導の短期売買中心で実需勢は様子見とされ、日経平均は1万4500円前後でもみ合った。TOPIXは小幅続落となった。

ロイターは1日、米共和党で保守派のトーマス・マッシー下院議員が30日夜、下院共和党指導部は最終的には妥協し、医療保険改革法(オバマケア)変更やその他条件を盛り込まない暫定予算案を提出する、との見通しを示したと報じた。米財政協議のヤマ場は債務上限問題であり不透明感は続くものの、ひとまず緊迫感が和らいだことで、日経平均が1万4600円を回復する場面があった。

日銀が午前8時50分に発表した全国企業短期経済観測調査(日銀短観)で、大企業製造業の業況判断DIがプラス12とロイター予測のプラス7を上回ったことも好感された。

ただ米議会が1日午前零時(日本時間同日午後1時)の期限内に暫定予算案で合意できず、一部の政府機関が閉鎖されることを受け、不透明感の高まりから上げ幅を縮小。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)では米株価指数先物も伸び悩み、日経平均は心理的節目1万4500円を下回った。

安倍首相が来年4月1日に消費税率を8%に引き上げると表明すると買い直される場面もあったが、戻りは限定された。「読み切れない米財政問題が重しとなり、主力株が手掛けにくい」(松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)といい、先物市場での売り買い一巡後は方向感に乏しい展開となった。午後6時からの安倍首相の記者会見を控え、「経済対策の内容を見極めたいとする投資家は多い」(国内証券)ことも見送りムードを強めた。

個別銘柄では、共和レザー<3553.T>がストップ高。2014年3月期連結業績予想の上方修正を発表し、材料視された。配当予想を引き上げたしまむら<8227.T>も高い。

半面、東邦チタニウム<5727.T>は3日続落。2014年3月期の赤字幅が従来予想より拡大する見通しとなったほか、無配転落予想を30日に発表し嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり658銘柄に対し、値下がりが964銘柄、変わらずが126銘柄だった。

(杉山容俊)

日経平均<.N225>

終値      14484.72 +28.92

寄り付き    14517.98

安値/高値   14471.7─14642.97

東証出来高(万株) 279444

TOPIX<.TOPX>

終値       1193.44 -0.66

寄り付き     1198.18

安値/高値    1193.31─1204.32

東証売買代金(億円) 19283.68