東京株式市場で日経平均は続落。終値で9月17日以来、約2週間ぶりに心理的節目の1万4500円を下回った。米議会での予算審議が難航し、政府機関閉鎖の可能性が高まるなど米財政問題が深刻化。1ドル97円台に進んだ円高も嫌気され、日経平均は一時334円安となる場面があった。

日銀による指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い入れ期待などを背景に下げ渋る場面もあったが、戻りは限定された。

東証33業種のうち32業種が値下がりし、ほぼ全面安。自動車、電機など輸出株のほか、海運、鉄鋼などの景気敏感株が売られた。

米政府機関閉鎖が長期化すれば、実体経済や消費者心理に悪影響を及ぼすとの懸念からGLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株価指数先物が下落しており、今晩の米株市場への警戒感につながった。

寄り前発表の8月鉱工業生産指数速報が事前予想を下回ったほか、10時45分にHSBCが発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)改定値も下方修正されるなど、低調な日本と中国の経済指標も売り材料となった。

ただ、日銀によるETF買いや9月中間期末のドレッシング買い期待などで、日経平均は下げ幅を140円安まで縮小する場面があった。

あす午後6時から安倍晋三首相の記者会見が予定されており、消費増税に関する正式表明に加え、景気の腰折れを回避しつつ成長戦略を強化する経済政策が発表される見込みで、「いったん先物を買い戻す動きもみられる」(準大手証券トレーダー)との声も出ていた。

いちよしアセットマネジメント執行役員運用部長の秋野充成氏は「米政府機関の閉鎖懸念で世界的にリスクオフムードが強い。仮に閉鎖が回避されても米債務上限引き上げ問題があり、(株価は)引き続き上値の重さが意識される。短期筋に振らされる格好で、日経平均が1000円近く下げてもおかしくない状況だ。ただ米政府はデフォルト回避に動くとの見方は多く、下げ局面は買い場だろう」と述べた。

個別銘柄では、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が続落。金融庁が27日、みずほFG傘下のみずほ銀行が、提携ローンに反社会的勢力との取引が存在することを把握してから2年以上、防止・解消のための抜本策をとっていなかったなどとして、銀行法に基づく業務改善命令を出したと発表したことが嫌気された。

半面、千代田化工建設<6366.T>が反発。30日付の日本経済新聞朝刊は、同社が2015年度に川崎市で、世界初となる水素燃料の大型供給基地を建設すると報じ、材料視された。

東証1部騰落数は、値上がり302銘柄に対し、値下がりが1376銘柄、変わらずが69銘柄だった。

2013年度上半期(13年4月─9月)の日経平均は値幅2057円89銭、率にして16.5%の上昇となった。上半期の上昇率では2009年度上半期(09年4─9月)の24.9%以来の大きさとなった。

(杉山容俊)

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日経平均<.N225>

終値      14455.8 -304.27

寄り付き    14530.62

安値/高値   14425.82─14619.24

東証出来高(万株) 270903

TOPIX<.TOPX>

終値       1194.1 -23.42

寄り付き     1200.15

安値/高値    1192.28─1205.16

東証売買代金(億円) 18942.57