前場の東京株式市場で日経平均は大幅続落。下げ幅は一時300円を超えたが、前引けは心理的節目の1万4500円を維持した。

米議会での予算審議が難航し、政府機関閉鎖の可能性が高まるなど米財政問題が深刻化。1ドル97円台に進んだ円高も嫌気され、自動車、電機など輸出株のほか、海運、鉄鋼などの景気敏感株が売られた。

米政府機関閉鎖が長期化すれば、実体経済や消費者心理に悪影響を及ぼすとの懸念からGLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株価指数先物が下落しており、今晩の米株市場への警戒感につながっている。寄り前発表の8月鉱工業生産指数速報が事前予想を下回ったほか、10時45分にHSBCが発表した9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)改定値も下方修正されるなど低調な日本と中国の経済指標も売り材料となった。ただ、日銀のETF(上場投信)買いや9月中間期末のドレッシング買い期待などで前引けにかけてはやや下げ渋った。

市場では「注目される4日の米雇用統計が発表されるかどうかも分からず、目先は不透明感が強い。日経平均も下値模索となりそうだが、移動平均線が集中するのは1万4100円付近であり、現時点でトレンドが崩れるような心配はない」(証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏)との声が出ていた。

東証1部の騰落数は、値上がり233銘柄に対し、値下がりが1436銘柄、変わらずが76銘柄だった。

日経平均<.N225>

前場終値 14505.73 -254.34

寄り付き 14530.62

安値/高値 14425.82─14536.61

東証出来高(万株) 131106

東証売買代金(億円) 8239.59