前場の東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反発した。前日の米国株安などを背景に序盤は売りが先行。先物への大口売りで日経平均が200円超の下げとなる場面もあった。
ただ、政府が法人税の実効税率引き下げを早急に検討すると伝わると急速に切り返し、日経平均はプラス転換。円相場が98円後半まで下落したことも指数の戻りを後押しした。一方、TOPIXは小幅に3日続落となった。
共同通信は26日、消費税増税に伴う政府の経済対策で、焦点となっている法人税の実効税率引き下げに関して「早急に検討を開始する」と明記する方向で調整に入ったことが分かったと報じた。同報道をきっかけに先物市場で買い戻しが活発化したとみられている。指数寄与度の大きいファーストリテ<9983.T>とソフトバンク<9984.T>が一段高となり、2銘柄で日経平均を約72円押し上げた。
半面、米財政問題をめぐる懸念が引き続き重しとして意識されている。市場では「米議会が暫定予算案の審議や債務上限問題をめぐって混乱しており、不透明感が漂っている。国内企業業績や経済政策への期待感が下支えしているが、10月初旬の消費増税を確認するまでは大きく動けない」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、大陽日酸<4091.T>が続伸。26日、同社と三菱ケミカルホールディングス<4188.T>が、資本業務提携に関する検討を行っていると発表したことを材料視した。自社株買いを発表したソフトクリエイトホ-ルディングス<3371.T>も堅調だった。
半面、アドバンテスト<6857.T>が年初来安値を更新。25日、2014年3月期の当期損益(米国会計基準)予想を98億円の黒字予想から一転、25億円の赤字予想に下方修正すると発表し、嫌気された。
東証1部の騰落数は、値上がり602銘柄に対し、値下がりが990銘柄、変わらずが101銘柄だった。