東京株式市場で日経平均は小幅続落。国内連休中の米国株安や円高を嫌気し、日経平均の下げ幅は一時130円を超えたが、引けにかけ下げ渋った。

9月期末の権利付き最終売買日をあすに控え、配当権利取りの動きが下値を支えたほか、アベノミクスの政策期待も地合いの底堅さにつながった。外為市場で円安に振れたことも指数上昇を支援した。ただ先物主導の側面が強く、一段の上昇には手がかり不足とみられている。

米連邦準備理事会(FRB)高官が依然として年内に金融緩和の縮小に着手する可能性があると示唆したことで、朝方は米金融政策に対する不透明感が広がった。10月からの新会計年度を控え、米債務上限引き上げ問題も懸念材料という。「米FRB幹部の発言を消化し切れず、ポジションを組みにくい中で戻り売りなどが上値を抑えている」(内藤証券投資情報本部部長の浅井陽造氏)との声が出ていた。

中国の上海総合指数<.SSEC>などアジア株が軟調に推移したことで後場寄りの日本株も弱含んだが、大引けにかけ下げ渋った。ドル/円が99円に接近するなど円安に進んだことで先物への断続的な買いが指数を押し上げた。ファーストリテイリング<9983.T>やKDDI<9433.T>、ソフトバンク<9984.T>など指数寄与度の大きい銘柄がしっかりだった。

ただ自動車や電機など主力輸出株に利益確定売りが出たほか、銀行、証券、不動産など内需系もさえない展開だった。市場では「主力株は手掛けにくい一方、中小型株に値を飛ばす銘柄が目立っており、下値は固い。ただ、7月の戻り高値を上抜くには材料に欠け、当面は戻り待ちの売りをこなす展開を想定している」(東洋証券ストラテジストの檜和田浩昭氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、長谷工コーポレーション<1808.T>が4日ぶりに反落。東京国税局から約25億円の所得隠しを指摘されたとの一部報道が嫌気された。

半面、アップル関連株が総じて堅調。村田製作所<6981.T>が買われたほか、日本航空電子工業<6807.T>、フォスター電機<6794.T>は年初来高値を更新した。新型「iPhone(アイフォーン)」の販売好調を材料視した。

東証1部騰落数は、値上がり847銘柄に対し、値下がりが807銘柄、変わらずが99銘柄だった。