23日の米国株式市場は続落。米連邦準備理事会(FRB)当局者が依然として年内に金融緩和の縮小に着手する可能性があると示唆したほか、連邦政府の会計年度末を控えて政府機関閉鎖の回避へ向けた議会での協議の期限が差し迫っていることも、相場を圧迫した。
ダウ工業株30種<.DJI>は49.71ドル(0.32%)安の1万5401.38ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は9.44ポイント(0.25%)安の3765.29。
S&P総合500種<.SPX>は8.07ポイント(0.47%)安の1701.84。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はFRBの金融緩和縮小について、6月にバーナンキFRB議長が示した枠組みは経済情勢が改善し続ける限り、今も変わっていないとの考えを示した。またダラス連銀のフィッシャー総裁は、前週の連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小を見送ったことで、FRBの信認は著しく傷ついたと述べた。
銀行株がS&P金融セクターの下げを主導。シティグループ<C.N>は3.2%安。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は22日、関係筋の話として、シティグループの第3・四半期のトレーディング収入が大幅に減少したと伝えた。JPモルガン・チェース<JPM.N>も2.5%下落、S&P金融株指数<.SPSY>は1.5%下げた。
FRBは先週、月額850億ドルの資産購入プログラムを維持することを決定。緩和縮小を見込んでいた投資家は不意打ちを食らった。
ウェドブッシュ・エクイティ・マネジメントのマネジングディレクター、スティーブン・マソッカ氏は、FRBが市場の不透明感を強めたとの見方を示した。
またRDMファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・シェルドン氏は「投資家は米議会での協議の行方や、それに伴って向こう数週間中にもたらされる恐れのある相場変動をめぐり、懸念を少々強めていると思う」と述べた。
カナダのスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリー<BB.TO>(旧リサーチ・イン・モーション)の米国上場株<BBRY.O>は1.1%高。同社はフェアファックス・フィナンシャル・ホールディングズ<FFH.TO>を中心とする企業連合への身売りで基本合意した。規模は47億ドル相当としている。
アップル<AAPL.O>は5%高。20日に発売したスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の最新2機種「5S」と「5C」の発売後3日間の販売台数が計900万台を超えたと発表した。
ダウ工業株30種の構成銘柄に新たに組み入れられた3銘柄の動きは、金融大手ゴールドマン・サックス<GS.N>が2.7%安、クレジットカード大手ビザ<V.N>が1.3%安、スポーツ用品大手のナイキ<NKE.N>が0.6%安。同構成銘柄から外れた3社は、コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)<HPQ.N>が0.1%安、アルミ大手アルコア<AA.N>も0.1%安、大手銀バンク・オブ・アメリカ<BAC.N>は2.1%安といずれも下げた。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約58億株と、年初来の1日平均の約63億株を下回った。
騰落比率は、ニューヨーク証券取引所では約1対1.4、ナスダックでは約1対1.3だった。