英語やフランス語では "gabion" (中世フランス語 "gabion" 〈= two-handled basket、1570-1580年初出〉が直接語源)が、ドイツ語では "Gabione" が、日本語「蛇籠/蛇篭」に最も近い語であるが、これらは同じ意味のイタリア語 "gabbione" を語源とし、gabbione は「ケージ(籠)」などを意味するイタリア語 "gabbia" を語源とする。さらに、イタリア語 gabbia の語源はラテン語で「ケージ(籠)」などを意味する "cavea" であるとされる。 [ Eng: gabion, Ger: Gabione, Fra: gabion < Ita: gabbione < Ita: gabbia (=cage) < la: cavea (=cage) ]
蛇篭とは、災害復旧及び河川改修の現場で選択される各種工法のうちの一つで、めっき鉄線など使用した金網製のかご状構造物の内部に、自然石、砕石などを中詰めして、河川工事に使用する伝統的工法である。
河川・海岸・治山などの土木事業で、それぞれの形状や特性を生かし、護岸、根固め、水制、床止め、耐震、擁壁、排水といった様々な目的で用いられる。近年、防災性だけでなく、「多自然型川づくり」が要望されるようになり、多様な生物の生息空間(ビオトープ)作りに役立っている。