■関節の疾患
寒さにより散歩の距離や回数が減り、運動不足により肥満体型になると、関節の痛みなどをともなう「関節炎」になります。
・関節炎
関節炎の原因は肥満や運動不足、外傷や加齢など。おもに「感染性関節炎」や「変形性関節症」が多く、歩くときに足を引きずるように歩く、じっとしていることが増える、散歩をいやがるなどが関節炎のサインです。
■心臓・循環器系の疾患
気温低下により朝晩に咳が出るなら、心臓の病気の可能性もあります。
・僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
加齢が原因とされる犬の心臓病の大部分が、「僧帽弁閉鎖不全症」です。初期段階の明らかな症状として、のどにひっかかったような咳をする、水をのむとむせてしまうなど。さらに進行すると、食事のときにむせるような咳をする、運動をいやがり散歩途中にすわりこむなどの症状がみられます。
■感染症の疾患
「感染」とは細菌やウィルスが体内にはいり、増殖すること。子犬などのワクチンを接種していない犬に感染しやすい「犬ジステンパー」は、高熱や下痢がサインになります。また、疫力の弱い子犬や高齢犬が感染しやすい「犬パルボウイルス」は、嘔吐や血便がみられることも。
・犬ジステンパー
ウイルス性の疾患で、日本オオカミを絶滅に陥れたとても恐ろしい病気で、感染すると最悪死に至ってしまうことも。感染初期は目やにや鼻水、高熱や食欲不振などの症状があらわれ、咳やくしゃみなどの呼吸器症状や、嘔吐や下痢などの消化器症状がみられます。なにより、ワクチンでの予防が重要になります。
・犬パルボウイルス
感染すると、高熱や元気消失、食欲不振や下痢、嘔吐や目やになどの症状がみられます。口や鼻から強い感染力で体内にウィルスが侵入し、最終的には脳まで広がり、行動の異常やけいれんがみられ、マヒなどの後遺症が残ることも。ウィルスに対する薬がないので、犬ジステンパー同様にワクチンでの予防が重要になります。
■呼吸器系の疾患
気温と湿度が低くなると、寒さに弱い犬種はとくに抵抗力が弱まってしまいます……。「ゼーゼー」と咳こむ、「ブヒブヒ」と鼻がなるなどの症状みられたら、呼吸器系の疾患「気管虚脱」かも。
・気管虚脱
気管虚脱は比較的多くの犬種にみられる呼吸器系の疾患です。冬場の激しい気温差は気道粘膜を刺激して、咳を誘発しますので、とくに気をつけましょう。治療には、内服薬の投与やネブライザーなどの吸入が行われます。
■胃腸炎
寒暖差の大きい季節に起こりやすい病気として 「胃腸炎」 があります。
普段なら食べ物を吐いたり下痢をしたりすることは全くないという子が、寒暖の差によって体調を崩し、胃腸炎になることで食べ物を吐いたり下痢が何日も続いてしまうことがあります。
胃腸炎によって嘔吐や下痢が続いてしまうと脱水症状や血便の原因になってしまうため、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。
下痢止めや抗生物質を処方してもらうことができ、脱水症状がひどい場合には点滴を受けることもできます。
■肥満
「うちの子まるくなってきちゃった」と軽くお考えの方も多いかもしれません。
また食欲のある子にはたくさん食べさせてあげたくなってしまいますよね。
しかし、実は肥満も重篤な病気のひとつです。
厳しい寒さに向けて、本能的に栄養や脂肪を蓄えようとしますが、寒さを理由に運動を十分にさせてあげられないでいると肥満になってしまうリスクが高まります。
夏は熱中症のリスクもあるため、昼間に存分にお散歩へ連れて行ってあげることが難しいかもしれません。
秋や冬は夏に運動をしなかった分、たっぷりと運動させてあげる時間を作ってあげましょう。
肥満は心臓病や関節系疾患やホルモンの病気などたくさんの病気を併発します。
人間と同様、適度な食事と適度な運動が健康の元です。
しっかりと運動させてあげましょう。
獣医監修のTokyo Sitterでは、
お忙しいお客様に代わり、ペットを動物病院にお連れし、診察の間も付き添うことが可能です。
愛犬・愛猫の様子が気になるけれど病院に連れていく時間がない、
という方はぜひご相談くださいませ。