3、利権を求めて組織分裂が相次ぐ
 東日本だけをみても「解同」から分離、分裂して新たなに組織ができたものも多くある。「部落解放推進の会」(長野県)、「部落解放愛する会」(栃木県、茨城県、埼玉県、神奈川県〔行政対応しないとして解散〕)、「部落解放同盟全国連合会」(神奈川県〔県連準備会と大磯支部〕、茨城県等)がある。「部落解放正統派埼玉県連合会」(埼玉)、「部落解放北足立郡協議会」(埼玉)、「北埼・埼葛同和対策運動連合会」(埼玉)などがあり、それぞれ行政対応がある。神奈川県大磯町では「解同」支部が「部落解放同盟全国連合会大磯支部」へ移行し、さらに「部落解放神奈川県本部湘南大磯支部」に名を変えて、利権をあさって逮捕されたのが昨年(二〇〇二年)である。
 全日本同和会から離脱、分裂した組織として全国自由同和会がある。政府は全日本同和会を排除してこの「全自同」に対応している。全日本同和会は利権が多いという理由である。「全自同」も利権が後を絶たない。埼玉県では同和会から分かれた「同和会埼玉県連合会」が対応団体になっている。神奈川県では「同和会」から分かれて「神奈川県同和会」(一九七八年七月)、「新神奈川県同和会」(一九八七年八月)の組織が結成された。
「解同」や「同和会」の利権あさりに誘発され、同和の名を冠した団体がおびただしくうまれてきた。実に全国で、その数は六百団体とも言われる。団体名の特徴は、「全国同和・・・会」「全日本同和・・・会」という同和をつけた団体が次々とうまれた。中には「部落解放同和会」を名乗るものもあった。
 週刊写真誌によれば、「同和清光会」の会長は、指輪、時計、ネクタイピン、背広や靴など身につけている装飾品だけでも三億円とも報道された。彼は東京の病院で射殺され、いまも犯人は検挙されていない(一九八四年)。かつて会長は、多数の手下を従え高級外車で神奈川県庁に押しかけて開発許可を求めたこともあった。
 神奈川県では、「同和連盟全国連合会」、「地域改善解放同盟」「同和対策新風会」、「東日本同和会」、「同和清光新和会」など三十以上の団体が利権をねらってうごめいている。昨年、東日本同和会系の幹部が行政職員に職務強要や暴力行為で逮捕されている。