三共の研究陣は、当初からコレステロール合成阻害物質の捜索に的を絞った。そして青カビの一種から強力なコレステロール合成阻害作用を持つ「ML-236B」を発見(73年)。

ML-236Bの実験をマウスに絞って行っていたが成果はなく、ニワトリでもだめだった。しかし、たまたまイヌに行ったところ、劇的な効果があり、初めて「メバロチン」という物質の発見につながった。これを大量生産するためにまた一苦労はあったのだが、オーストラリアの土壌から発見された放線菌との組み合わせによって何とか可能になった。