【洒落怖】 火の番(山・中編)
すると声は、ライターを無心し始めた。 「火が消えないならライターなんてもう要らないだろ。俺にくれよ」 「んー、これは大切な物だから駄目だよ」 「俺が代わりに火を見ててやるよ。だからライターくれよ」 「んー、僕のじゃないから、やっぱり駄目だよ」 こんな押し問答を何度くり返しただろうか。 やがて影がゆらりと立ち上がる気配がした。 「火が消えないんじゃしょうがないな。帰るとするか。また遊ぼう」 その言葉を最後に、何かが山の闇の中へ去って行った。
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幽霊・妖怪・悪魔・人間などが関わる怖い話や都市伝説や時空系などの不思議な話を単発で紹介します。