Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。

「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。
 病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。

 裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。
 駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」

Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、
ちょっと口答えしそうになりましたが、
神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。

「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
 アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。

 アレのことを覚えとる奴がおったら、
 何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。

 それと、後ろ髪は伸ばすなよ。
 もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」