みんなヤバと思って声も出せませんでした。

顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、
逃げるようにBが窓によじ登ったとき、
そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。

写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。

「何やこれ」

酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。

「やばいてやばいて」

「吐いてる場合か急げ」

よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。

何がなんだかわけがわかりませんでした。

後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。

きっとAです。祟られたのです。

恐ろしくて振り返ることもできませんでした。

無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。