部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。

雨漏りしているのか、じめっとしていました。

部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、
壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、
その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。

湿気で壁紙はカピカピになっていました。

部屋の中はとりたてて調度品もなく、
質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、

その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、
大きな枠の写真入れに入ってました。

「なんやこれ、気持ち悪い」

と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、
額裏から一枚の紙が落ち、
その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。

紙は御札でした。