でも、哀しいかな、
流石に三ヶ月もそれまで自分がいた騒々しい世界から隔離されると、
物足りない気持ちが強くなってた。

実に二ヶ月ぶりに篠塚先生がやって来て、
やっと本山での生活は終りを迎えようとしていた。

身支度を整え、兎に角お世話になった皆さんに一人ずつ御礼を言い、
篠塚先生と帰ろうとしたんだ。

でも気付くと、横にいたはずの篠塚先生がいない。

あれ?と思って振り向いたら、少し後にいたんだ。

歩くの速すぎたかな?って思って戻ったら、優しい顔で

「義満ちゃん、帰るのやめてここに居たら?」

って言われた。

実は篠塚先生に認められた気がして少し嬉しかった。