ビクってなってその場で硬直。

またもや頭の中では、物凄い回転で事態を把握しようとしていた。

っつーか把握なんて出来る筈もなく、
篠塚先生の言うことに従っただけなんだけどね。

俺の動きが止まり、
仏間に入ろうとする両親と祖父母の動きが止まった事を確認するかのように、
少しの間を置いてから篠塚先生が話し始めた。

篠塚先生「義満ちゃんごめんなさいね。
     怖かったわね。もう大丈夫だからこっちに戻ってらっしゃい」

襖の向こうから、しきりに何か言ってのは聞こえてたけど、覚えてない。

血を拭いながら篠塚先生の前に戻ると、手拭いを貸してくれた。

お香なのかしんないけど、いい匂いがしたな。

ここに来てやっと、あの音は篠塚先生が手を叩いた音だって気付いた。

「義満ちゃん、見えたわね?聞こえた?」

「見えました……どーして?って繰り返してました」

この時にはもう、篠塚先生の顔はいつもの優しい顔になってたんだ。