泣きっぱなしだな俺。

篠塚先生はもっと近づくように言い、膝と膝を付け合わせるように座った。

俺の手を取り、暫くは何も言わず優しい顔で俺を見ていた。

俺は何故か、悪さをして怒られるじゃないかと親の顔色を伺っていた、
子供の頃のような気持ちになっていた。

目の前の、敢えて書くが、自分よりも小さくて明らかに力の弱いお婆ちゃんの、
威圧的でもなんでもない雰囲気に呑まれていた。

あんな人本当にいるんだな。

「……どうしようかしらね」

「……」

「義満ちゃん、怖い?」

「……はい」

「そうよねぇ。このままって訳には行かないわよねぇ」

「えっと……」

「あぁ、いいの。こっちの話だから」

何がいいんだ!?

ちっともよかねーだろなんて気持ちが溢れて来て、耐えきれずついにブチ撒けた。