車は長崎に着いていた。これには俺も流石に驚いた。

怯え続ける俺を気遣い、飛行機や新幹線は避け車での移動にしてくれたらしい。

途中で休憩は何度も入れたらしいが、それでもろくに眠らず車を走らせ続けた父と、
俺が怖がらないようにずっと寄り添ってくれた母への恩は、
一生かけても返しきれそうもない。

祖父母の住む所は、長崎の柳川という。

柳川に着くと坂道の下に車を停め、両親が祖父母を呼びに行った。

祖父母の家は、坂道から脇に入った石段を登った先にある。

その間、俺は車の中に一人きりの状態になった。