何時どこでアイツが姿を現すかと思うと、怖くて仕方無かった。

眠れない夜が続き、食事もほとんど受け付けられず、
常に辺りの気配を気にしていた。

たった十日足らずで、俺の顔は随分変わったと思う。

精神的に追い詰められていた俺には、時間が無かった。

当然、まともな社会生活なんて送れる訳も無く、
親から連絡を入れてもらい会社を辞めた。

これも後から聞いた話でしかないのだが……、
連絡を入れた時は随分嫌味を言われたらしい。

とにかく何もかもが怖くて、洗濯物や家の窓から見える柿の木が揺れただけでも、
もしかしたらアイツじゃないかと一人怯えていた。

篠塚先生が来るまでには、まだ二週間あまりが残っていた。

俺には長すぎた。