【洒落怖】 リアル (名作・長編)
林は少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、 口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。 少し顔が笑っていたように見えた。 時々小さく頷いていた。 俺は瞬きも忘れ凝視していた。 不意にアイツの首が動きを止めた。 次の瞬間、顔を俺に向けた。 俺は慌てて目をギュッと閉じ、布団を被り、ひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。 俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。 恐ろしかった。 階段を駈け降りる音が聞こえた。 林が逃げ出したようだ。
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幽霊・妖怪・悪魔・人間などが関わる怖い話や都市伝説や時空系などの不思議な話を単発で紹介します。