日も暮れて辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら、
一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。
林からそうするように言われたからだ。
お祓いが始まってから大分たった。
お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と、
少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。
最初こそ気付かなかったが、首がやけに痛い。
痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっていると、
お経が止まった。
……しかしおかしい。