逃げ場はないと、恐ろしい事になってしまっていると、この時やっと理解した……

実家に帰り、自分が置かれている状況を理解して三日が過ぎた。

精神的に参ったからか、
それが何かしらアイツが起こしたものなのかは分からなかったが、
二日間高熱に悩まされた。

首から異常なほど汗をかき、二日目の昼には血が滲み始めた。

三日目の朝には首からの血は止まっていた。元々滲む程度だったしね。

熱も微熱くらいまで下がり、少しは落ち着いた。
ただ、首の回りに異常な痒さが感じられた。

チクチクと痛くて痒い。枕や布団、タオルなどが触れると、鋭い小さな痛みが走る。

血が出ていたから、瘡蓋が出来て痒いのかと思い、意識して触らないようにした。

布団にもぐり、夕方まで気にしないように心掛けたが、
便所に行った時にどうしても気になって鏡を見た。

鏡なんて見たくもないのに、どうしても自分に起きてる事を、
この目で確認しないと気が済まなかった。

鏡は見たこともない状況を写していた。首の赤みは完全に引いていた。

その代わり、発疹が大きくなっていた。