とりあえず俺が出した結論は、『部屋から出る』だった。

足元にある鞄を、何故かゆっくりと慎重に手に取った。

そいつからは目が離せなかった。目を離したらヤバいと思った。

後退りしながら廊下の半分

(普通に歩いたら三歩くらいなのに、かなり時間がかかった)

を過ぎた辺りで、そいつが体を左右に振る動きが、

少しずつ大きくなり始めた。

と同時に、何か呻き声みたいなのを出し始めた。

そこから先は、実はあんまり覚えてない。