案外知らない人が多いゲートボールのルールまとめ

お年寄りがよくやってるけど意外とルールを知らないゲートボール。そんなゲートボールの細かいテクニック抜きで基本ルールをまとめました。基本をまとめただけでもけっこうな量になるくらい奥が深いのです。

KYOUITI YOSHIDA さん

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まずは人数を集めましょう

ゲートボールは団体競技ですから、1人で試合をするというのは不可能です。一番手っ取り早いのはどこかのチームに入ることですが、「自分のチームで競技したい」という人は、チームを作るため仲間を集めなくてはなりません。

仲間は最低5人必要です。スターティングメンバーとして5人必要だからです。5人より多くなってしまった場合でも大丈夫です。このほかに、控え選手3人まで、専任監督1人までを登録することができますから、1チーム最大で9人まで登録できます。

ここで注意して欲しいのは、「専任監督」として登録された人は選手として試合に参加することはできません。ゲートボールにおいては、監督は絶対必要な存在というわけではありませんので、全員が試合に参加したい時は無理に監督を作らなくても構いません。

また、選手の中から主将を1人選びます。これは控え選手の中からでも構いません。主将は監督と違って絶対必要なので必ず選出しましょう。

ゲートボールに必要な道具

(a)ボール
「ゲートボール」というくらいですから、ボールは使います。ボールは全部で10個、1つ1つには1~10の異なる数字が書かれています。また、奇数が書いてあるボールは赤地のため、「赤玉」とも呼ばれ、一方偶数が書いてあるボールは白地のため、「白玉」とも呼ばれます。材質はプラスチックが主流のようです。

(b)スティック
名前は「スティック」ですが、棒というよりはハンマーのような形をしています。各選手1本ずつ持ち、試合中はこれを使ってボールを打ちます。原則としてスティックのグリップを握り、フェイスをボールに当てて打つ以外の方法でボールを移動させると反則になります。材質は木でできているものもありますが、最近はカーボンやプラスチックがよく使われています。

(c)ゲート
「ゲートボール」ですからゲートも使います。ゲートはカタカナの「コ」の形をした金属で、3本使用します。
試合中はコート内の規定の場所に刺さっています。

ゲートにもきっちりとした規格があるんですね。

(d)ゴールポール
ゴールポールは杭の形をした金属の棒です。試合には1本使用します

(e)ゼッケン/ワッペン
ゼッケンは全部で10枚使用します。ボールと同じで、1つ1つに1~10までの異なる数字が書かれています。奇数番号の書かれたゼッケンは、白地に赤で数字が書かれており、偶数番号の書かれたゼッケンは白地に黒で数字が書かれています。
なお、ゼッケンの代わりにワッペンを使用することもあります。

これ以外は特に必要ありませんが、たとえば服や帽子、シューズなどをチームでそろえることもあります。また、スティック以外は自分で用意しなくてもいいものなので、どこか既成のチームに入ったと言う人には揃える必要のない物です。

ゲートボールのルール説明簡易版

まず、ゲートボールの軸となる目的は、「ゲート通過」と「あがり」を目指すことにあります。

「ゲート通過」とはボールをゲートの下にくぐらせること、「あがり」とはボールをゴールポールにぶつけることを示しますが、「ゲート通過」や「あがり」には条件がついており、ゲートをくぐらせたり、ゴールポールにぶつけたりしても、条件を満たしていなければ「ゲート通過」や「あがり」にはなりません。

なお、これ以降「ゲート通過」を略して「通過」とも言うので、それに合わせます。

「第1ゲート」→「第2ゲート」→「第3ゲート」の順番で通過させ、最後にゴールポールに当てるとあがりになります。順番が違うと、たとえゲートをくぐらせたり、ゴールポールに当てても通過やあがりにはなりません。

タッチとスパーク打撃を駆使しましょう

(a)タッチ
「タッチ」とは、自分の持ち玉を打って他の玉に当てることをいいます。「他の玉」というのは敵味方どちらの玉でも構いません。

タッチをすることで起きた出来事はすべて有効とみなされます。具体的には、タッチした勢いで自分の持ち玉以外のボールのゲート通過やあがりが成立した場合、そのボールの持ち主がゲート通過やあがりを成立させたのと同じ扱いをします。その他、後述するアウトボールになった場合も同様です。

(b)スパーク打撃
タッチした後、自分の持ち玉とタッチした相手の玉が両方ともインサイドラインの内側に静止し、なおかつ自分の持ち玉もタッチした相手の玉もあがりが成立しなかった時、「スパーク打撃」を行います。

スパーク打撃の手順

(1)まず、すべてのボールが静止するのを待ってからタッチした相手のボールを拾い、自分の持ち玉が静止したところに持ってきます。

(2)タッチした相手のボールをどの方向にめがけて動かすかを、指をさすことで示します。これを忘れたからと言って即反則ということにはなりませんが、あまり頻繁に忘れるようだと反則を取られてしまうので、忘れないようにしましょう。

(3)自分の持ち玉を足で踏みます。

(4)タッチした相手の玉を、自分の持ち玉に密着するように置きます。このとき、タッチした相手の玉はインサイドラインの外側に置いてはいけません。

(5)左の図の紫の矢印で示した部分を、スティックを使って叩き、その衝撃でタッチした相手の玉を動かします。

タッチと同様、スパーク打撃によって起こった出来事も有効です。したがって、たとえば味方のボールをスパーク打撃によってゲート通過させるということも可能です。

なお、上に示した(1)~(5)の手順の間に、タッチした相手のボール以外のボール(自分の持ち玉も含む)を動かしてしまうと反則になるので注意しましょう。

また、同時に複数のボールにタッチした場合は、1つずつ順番に(1)~(5)の手順を行います。順番は自分の好きな順番で構いませんが、タッチしたすべてのボールに行わなくてはなりません。

このタッチとスパーク打撃がゲートボールを頭脳派スポーツと言わしめるルールなんですね。
このタッチとスパーク打撃を使った細かいテクニックはたくさんあります。

どうやったら勝ちなの?

勝敗の決定は次のように行います。

(1)まず、紅が全員あがる前に白が全員あがった場合は白の勝ちです。(ちなみにこれを「パーフェクトゲーム」といいます。)

(2)白が全員あがる前に紅が全員あがった場合は次のような処置を取ります。

紅の中で最後にあがった選手の直後の打順の白の選手がアウトボールになっている場合、もしくはあがっている場合はこの時点で紅の勝ちです。
それ以外の場合は紅の中で最後にあがった選手の直後の打順の白の選手に1打分の打権が発生します。この打権を使っての継続プレイ中に白も全員あがった場合は引き分け、それ以外の場合は紅の勝ちとします。

(3)試合開始から30分経過した時点で、両チームとも1人以上あがっていない選手がいる場合は次の措置を取って試合を終了します。

30分経過した時点で白の選手が継続プレイ中の場合、その選手の打権がすべてなくなった時点で試合を終了とします。
30分経過した時点で紅の選手が継続プレイ中の場合、その選手の直後の打順の白の選手がアウトボール、もしくは既にあがっているときには現在継続プレイ中の紅の選手の打権がすべてなくなった時点で試合終了とします。それ以外の場合は、紅の選手の打権がすべてなくなった時点でその直後の打順の白の選手に1打分の打権が発生し、その白の選手の打権がすべてなくなった時点で試合終了とします。

そして次の表により、ボールの進み具合を得点換算します。

あがりまで到達 5点
第3ゲートまで通過 3点
第2ゲートまで通過 2点
第1ゲートまで通過 1点
ゲート通過ならず 0点

チーム5人の得点を合計し、より多くの得点を取っていた方の勝ちとします。

(4)(3)の方法では同点で決着がつかなかった場合は進度の高いボールをより多く所持していたチームの勝ちとします。つまり、あがりに到達しているボールの数を比べ、その数が多かったチームの勝ちとします。それで決着がつかない場合は第3ゲートまで通過しているボールの数を比べ、その数が多かったチームの勝ちとします。それでも決着がつかない時は第2ゲートまで通過しているボールの数を比べます。

(5)(4)の方法でも決着がつかなかった時は、引き分けとする場合もあります。しかし、同点決勝として完全に決着をつける方法もあります。
同点決勝のやり方は、まず紅の1番打者がスタートエリアから第1ゲートを狙ってボールを打ちます。続いて白の1番打者が同じくスタートエリアから第1ゲートを狙ってボールを打ちます。どちらか一方が第1ゲート通過に成功し、もう一方が失敗すれば第1ゲート通過に成功した選手のいるチームの勝ちとします。両者とも第1ゲート通過に成功した場合、もしくは両者とも第1ゲート通過に失敗した場合には紅の2番打者と白の2番打者に交代して同様のことをします。同じことを両チームの3番打者、4番打者、5番打者、元に帰って1番打者と、決着がつくまで繰り返します。

かなり簡単にまとめてもこれだけの情報量があるゲートボールはとても奥が深いスポーツです。
かといってお年寄りがプレイしているのを見てもわかるように、強い筋力や運動量を必要としないので、気軽にプレイ出来るというのがゲートボールの大きな魅力ですね!

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