【魂で】ラモス瑠偉語録【生きる】

「ラモスの黙示録」、「魂 HEART―2002・日本代表への最後のエール」ラモス瑠偉(著)より。

ZZ92 さん

316 PV

「神様は、どうでもいいヤツになんか試練は与えない」

「全力を尽くすこと、命ギリギリまで戦うこと。神様にほほ笑んでもらおうと思ったら、決して忘れちゃいけないんだよ」

「面白いサッカー、強いサッカー、魅力あるサッカー。子供たちに見せなきゃ。サッカーを愛してくれる人たちへの、オレたちの責任だよ」

「生きる力を与えてくれるのが家族じゃないか。ブラジルの家族、日本の家族、そして読売の家族。オレがここまでこれたのは、この3つの家族のおかげなんだ。 命だよ。この人たちのためなら、命捨てるよ、オレ」

「みんな新旧交代というと、すぐに古い選手を切り捨てて、若い選手に切り替えることだと思っている。でも、選手を全部入れ替えたところで、すぐに強いチームができるわけじゃないよ。大事なのは、歴史をつなぐってことだと思う。親がいて、おじいちゃんやおばあちゃんがいて、いまの自分があるんだから当然のことじゃないか。 いまの若い連中は親孝行をしない。おじいちゃんやおばあちゃんにも若い頃があって、恋をして、子どもを産んで、そしていまの自分が初めてあるのに、平気でジジイ、ババアなんて呼んでいる。そんな連中じゃ、勝てっこないって!」

「それにしてもサッカーに限らず、世界がどうだとか、国際社会はどうだとか言っては、日本をバカにする日本人が多すぎるのはどういうことだろう。外国を引き合いに出して、「だから日本はダメなんだ」式のことを言う日本人は多い。(略)何度も同じようなことを繰り返し聞かされると、

「だったらお前、日本人なんてやめちまえ!」

と声を荒げたくもなる」

「日本には「滅私奉公」という言葉がある。何だか不思議な感じがするが、この言葉を口にするだけで戦争賛美だとか、軍国主義の復活だとか大騒ぎする人がいる。(略)でも、単純に自分のワガママを捨てても、仲間のため、社会のために役立とうという気持ちは尊いと思う」

「日本を、日本サッカーをナメられることは、オレ自身がナメられることと同じなんだ。そんなの許せないよ」

「「体を張る」って簡単に言うけど、簡単じゃない。競り合いながら人より足や顔を前に出す。数センチでいいの。できるかできないか。それがハートの差ってこと。命懸けられるか、懸けられないかだよ」

「テクニックは人から教わることもできる。でも、ハートは自分で鍛えるしかない。(略) チクショーって気持ちで練習しなきゃ、うまくならないよ。それに普段から気持ちを入れて練習してれば、試合になって、ギリギリのところで何か力が湧いてくる。それが本当の強さ。そういう強さ、みんながもって欲しいよ」

「サッカーに限らずあらゆるスポーツ、あるいは芸術や芸能の世界だって、いやビジネスの世界だって、現状よりもさらに上のレベル、世界に挑もうという向上心、チャレンジャー精神があって初めて成立するものじゃないだろうか。だから、ワタシは聞きたい。どうして日本人は「精神論」という言葉に否定的なニュアンスを感じ、それを聞いただけで過剰ともいえる反応を示すの?負けてもいいと言うのなら、そもそもサッカーなど見なければいいのに、あるいはサッカーなどやらなければいいのに、とワタシなどは思う」

「サッカー選手が、ゴール前でスパイクの先でボールに触れるか触れないかの差は何か。相手より先に、ボールに行けるかどうかの差はどこにあるのか。プロリーグや、国の威信をかけて戦うワールドカップになれば、もはやテクニックだとか、足の速さなんてレベルの問題じゃなくなる。一流同士の戦いになればなるほど、この「負けたくない」という気持ちが、勝負のカギを握るんだよ!」

「サッカーにおけるチャンスとピンチはコインの裏表だ。「必ずここに来る」と思って走りこんだ場所にボールが来なかった場合、チャンスは一瞬にしてピンチに転じる。それだけに、チャンスを生かすには勇気が求められるし、背中合わせのリスクも抱えることになる。でも、ときにはリスクを冒さなければ、ゴールという「リターン」も得られないのが、サッカーだ。そして、チームの信頼感が、リスク管理の役目も果たす。 真の意味でのチームワークとは、この信頼感のことだと思う。そして信頼感こそが、チームとして100パーセントの力を発揮してサッカーをすること、そして個々の能力を最大限に引き出すことにもつながるとワタシは思う」

「大好きなサッカーができることに感謝できない者が上達するはずがない。責任を感じず、自分の頭も使えない者が上達できるほどサッカーは甘くない。仮に上手い選手だったとしても、そんな選手に魅力はない。サッカーは、そういうスポーツだ」

「怒鳴っても、おだてても、どちらでもいい。少なくともサッカーにおいて重要なのは、ミスを犯すことを恐れる選手をつくらない、ということだ。ところが、最近、Jリーグでも代表でも、ミスを極度に恐れる選手が増えてきている。挑戦しようとしない"優等生"が増えてきた。「失敗は成功の母」と言うが、ミスを犯すチャレンジ精神があって初めて、サッカー選手は上達するのではないだろうか」

「日の丸、最高だよ!こんな美しい国旗は、世界中どこを探してもないと思ってる。 日の丸をつけた日本代表チームのユニホームを着て、ピッチの上で君が代を聞く。君が代も最高に美しい国歌だよ。ワタシは日本代表選手として、32回もこんな幸福の瞬間を味わうことができた。ワタシの力で日本をワールドカップに連れて行くことはできなかったけど、日本人になって本当に良かったと思っている。ワタシは最高の幸せ者だ」

「以前はなぜか、代表チームのユニホームには日の丸はついていなかった。オフトが監督になったとき、ワタシはキャプテンの哲ちゃん(柱谷哲二)に話したんだ。「ユニホームに日の丸をつけようぜ!」って。そのあとカズ(三浦知良)と井原(正巳)にも話した。都並(敏史)なんかは、日の丸小僧がそのまま大人になったようなタイプだったから、感激してしまって。それで、テツとカズとワタシの3人で、オフトに頼みに行ったんだ」

「オフトは、最初はどうでもいいよ、みたいな態度だった。でも、話を聞くうちにワタシたちの熱い思いを感じてくれたんだと思う。協会に掛け合ってくれて、日本代表のユニホームに日の丸がつくようになった。日の丸をつける話が持ち上がったときから、オフト・ジャパンには、「よし、やってやろう!」っていう熱いハートがあった。それがオフトや協会を動かしたんだと思っている」

「小学生、中学生、高校生、大学生、そしてプロとアマ。日本のサッカーはカテゴリーにとらわれ過ぎているが、ブラジルでは小学生と高校生が、人数にハンデをつけながら一緒にゲームをすることなど日常茶飯事だ。そういうゲームは頭を使って戦術を工夫することにつながるし、ミスを恐れない勇気にもつながる。頭で考えて、「自分のサッカー」をつくっていくことにもなるのだ。 こういう柔軟な発想もまた、日本のサッカー界には求められている」

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