ホテルのインテリアってどうやって作られるの?

ホテルのインテリアが完成するまでの過程をご紹介

ホテルスタイル さん

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ホテルのインテリアができるまで

実際の事例をもとに、ホテル客室のインテリアが作られるまでの工程 ホテルが開業するまでの流れをご紹介

1 . 「打ち合わせ・プレゼンテーション」

ホテルの内部のインテリアの打ち合わせは、まだ建物がその形をあらわしていない基礎工事の段階から既におこなわれています。

インテリア業者は、ホテルの開業準備室や、設計事務所・ゼネコン・インテリア事務所など、ホテルインテリア設計の元となる窓口を訪れます。
同じホテル内でも、社長・役員・総支配人・宿泊支配人・施設部・管財部等・・、色々な人がインテリア工事(F.F.E.工事)に関わります。

日本のホテル業界では、昔から日本を代表する、帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ホテルオークラ等の御三家ホテル様をはじめとする既存ホテルに加え、最近では、リッツカールトン、ハイアット、ペニンシュラ等・・・外資系ホテルの進出も多く、その為、外国人デザイナーや支配人の存在も業界では多くなっています。

日本国内でインテリア商品を扱う会社は沢山ありますが、ホテルへの納入業者として最終選定の土俵に残れるのは、実はそんなに多くありません。

それは、永年のホテル運営の中で、ベッドや寝具は宿泊のお客様に安眠を提供する為の最も大切な機能のひとつという位置付けで、厳しいプロの目で品質や寝心地、ベッドメイクのし易さ、最近では、ビルの高層化などにより、防災面での安全性機能を有した防炎機能などもチェック事項に加味され、且つ、会社内容までを総合的に比較検証され厳選されるため、大半のインテリアメーカーはホテル業界から淘汰されてしまう厳しさだからです。

開業準備室で、実際にホテルを運営する現場スタッフの方々との打ち合わせや会議は、これからオープンしようとするホテルのコンセプトを把握したりインテリアの企画設計をする上でも最も大切です。

現場から持ち帰った建築図面・フロア図面や、ホテルのコンセプト等を元にして、インテリア計画のレイアウト提案や商品提案を作り、ホテル関係者に対してプレゼンテーションをおこないます。

2 . 「設計・製造」

何度にも渡る打ち合わせを経て、客室レイアウトや、個々のインテリア商品の図面製作や商品の試作に入ります。

建物の形やデザインが各ホテルによって異なるのと同様、中のインテリアのレイアウトや家具類についても、各ホテルによってそのデザイン・仕様はすべて異なりますので、枕やベッド等、一部のアイテムを除いては、すべて特注扱いになる厳しさです。

現場やアイテムにもよりますが、デスク・チェスト・ヘッドボード等の木製家具類や椅子等では1/1原寸図が必要な場合もあります。

木部塗装の色や、ファブリック生地等も、別注で各ホテル様のオリジナルになる場合が多々あります。宿泊されるお客様はよく見られていますので、他のホテルで使われていた生地が別のライバルホテルの部屋でも使われているというのはホテル様側もなるべく敬遠されます。

製造工場は、基本的に日本国内で、生地の縫製は縫製専門の国内工場でおこなわれ、ベッド等も、コイルのひとつひとつや枠線の一本一本に至るまで、国内のホテル工場で製造されます。

一流ホテルで採用されるのは、何万回という耐久性テストにも合格し、科学的にも高品質を立証されたホテルベッドのみです。

3 . 「モックアップルーム施工・検査」

大きなホテルの場合、事前にモックアップルーム(モデルルーム)を作る場合が多く、これは、建築現場からほど遠くない場所に一定期間だけ設けられます。

場所は、ホテル建築現場の工事中の客室を2~3室利用して作られる場合もありますが、現場内ではなく、開業準備室の一角であったり、ゼネコンさんの資材倉庫であったりします。
(改装工事・リニューアル工事の場合は、既存の客室を売り止めにしてモデルルームとして利用されます)

モックアップルーム(モデルルーム)を作る建物の外観はプレハブ造りなど、大変質素ですが、中は実際のオープン後の客室をそのまま再現しますので、本格的な作りで、実際に泊まれるのではと思う位です。

これはマンション等のモデルルームにも近いものがあります。ただ、マンションのモデルルームでは、より多くの人に見てもらわねばならないので、目につき易い作りで、より目立つ場所にありますが、ホテル内部のインテリアは、そのホテルがオープンするまでは対外秘ですので、関係者だけが入って見られる様になっています。

モックアップルーム(モデルルーム)は、ホテルの社長や総支配人・宿泊支配人・施設部・管財部、関連会社、設計事務所、インテリアデザイナー、ゼネコン・・・さまざまな関係者が見られ、その都度、商品検査されます。

ベッドや寝具、家具などに関しても、科学的な数値根拠による試験はもちろんのこと、実際にホテルがオープン後に泊まるお客様側に立った、感覚的な検査や、はたまた、商品の中身の仕様を確認される為、商品を直接切り裂かれたりと・・・色々な方法で検品は行われます。

大型のホテルになればなるほど、関係者の人数も多く、より審査も厳しく、色々な検査を受けます。
ご覧になられるのは百戦錬磨のプロの方々ですので、測定器などに頼らずとも、長年の経験に裏打ちされた一瞬の感覚的な判断で、ものの良し悪しを見分けられるほどです。

4 . 「商品製造」

その後、窓口の方々のご意向によって、仕様変更、図面の書きかえ、試作の作りかえや、打ち合わせ等・・・を経て、最終的に商品の仕様や数量等の詳細が決定されると、いよいよ工場で本番商品の製造にかかります。

全客室に向け大量に作りますのでミスは許されません。細心の注意を払って製造します。

基本的にホテル商品は全て、これまで多くのホテルへの納入実績を誇る日本国内工場での製造です。

途中、ホテル関係者の方々による製造工場の見学がおこなわれる場合もあります。遠路わざわざご足労をおかけして製造現場をご覧頂きます。

やはり直接キーマンとなるお客様が見に来られるとあって、製造現場の緊張も高まります。

一方、ホテルの建築現場でホテルの躯体が徐々に出来あがってくると、実際の客室となる部屋での実測も必須事項です。

特に木製家具関係は、ベッドの頭元によくある、ナイトスタンドや、客室灯やエアコンのスイッチ、時計等・・・客室の弱電工事との配線の取り合い等もありますので、事前に電気業者との打ち合わせも必要となります。
稀に、建築の図面と実際の室内の寸法が若干違っていたり、床や壁から配線が出てる筈の位置から線が出てないなんてことも・・・。

5 . 「搬入工事」

ホテル客室のインテリア備品は、客室の内装工事(クロス・カーペット等)が仕上がってから順次納入されます。現場にもよりますが、大体、ホテルオープンの約1~2ヵ月程度前には搬入・設置されます。

都心部の大きな現場の場合、多くの納入業者の混雑を回避する意味や、周辺地域への迷惑にも考慮して、荷物の搬入作業を夜中におこなうことも多く、夜を徹して作業がおこなわれる場合も多々あります。

客室数が何百室という大きなホテル現場の場合は、ベッドや家具類だけでも、大きな10トントラックが何台も連なり、取り付け工事等もありますので、決して2~3日では作業は終わりませんので、数日から数週間程度に分けて、搬入・工事する場合がほとんどです。

荷物の搬入時は、大きな現場になればなるほど、大変多くの業者が出入りしますので、混乱しない様、現場の工程会議が毎日おこなわれます。特に、建物の引き渡し前の場合、まだ建物はゼネコンさんの持ち物ですので、ゼネコンさんの主催による会議となります。

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