「1895年にフランスの作曲家エリック・サティが作った『ヴェクサシオン』という曲です。」
「この曲は1回1分20秒くらいの演奏を単純に840回繰り返すことによって成り立っている曲です。」
午後12時、演奏開始。
Q.調子はどう?
神田さん「足にきますね。すごくむくんできて痛いです。」
ようやく半分の420回に達したが、ゴールはまだ見えない。
上さん「今何回?」
安西さん「今何回?」
上さん「分かんない」
上さん「ごめんなさい」
神田さん「ちょっと勘弁して貰いたいですね。」
安西さん「すいません。」
神田さん「ちょっとキツイですね。さすがに。」
ピアニストと観客の疲労もピークに達してきた。
残る演奏は200回。少しずつゴールに近づいていく。
Q.演奏してみてどう?
「想像以上に過酷でした。」
ちなみに、
【補足トリビア】
①この曲は18世紀にフランスの作曲家エリック・サティが発表した『ヴェクサシオン(Vexation)』という曲で、約1分20秒の演奏を840回繰り返すようになっており、楽譜には『このモチーフを連続して840回繰り返し演奏するためには、あらかじめ心の準備が必要だろう。最も深い沈黙と真剣な不動性の姿勢によって』と書かれている。
②この曲は日本でも昭和42年(1967)12月31日~翌年1月1日年越しで、作曲家・黛敏郎ら16人によって演奏されている。
③昔、この曲を1人で弾こうとしたピーター・エバンスは595回まで弾いたところで幻覚症状に、演奏をストップした。
エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(Éric Alfred Leslie Satie、フランス語: [eʁik sati]、1866年5月17日 - 1925年7月1日)は、フランスの作曲家。
「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られる。ドビュッシーやラヴェルに影響を与えた。
『ヴェクサシオン(Vexations)』は、エリック・サティの作曲したピアノ曲。曲名は「嫌がらせ」を意味する。
ギネス・ワールド・レコーズでは「世界一長い曲」と認定されており、52拍からなる1分程度の曲が、まさに「嫌がらせ」のように840回繰り返される。
ギネスに認定された世界一長いピアノ曲、それはフランスの作曲家エリック・サティ(1866-1925)が作った「ヴェクサシオン」(Vexations)という曲です。
さらに興味深いのは、その記譜法です。7、8拍目はfis,cisと完全5度で記譜すれば読みやすいのに、わざわざges,cisと重増4度で記譜して、その音を想像しにくくしています。
最後から3、4拍目のges-dis-ces(重増5度+重増2度!)もfis-dis-hと記譜すればシンプルな長三和音となるのに、わざわざ複雑に記譜しています。これはタイトルの「いやがらせ」ということと関連があると思われます。
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