公認会計士の転職のポイント

近年公認会計士が監査法人以外へと転職するケースは増えております。
ここでは会計士の転職のポイントについて記載していきたいと思います。

おほんおほほん さん

11 PV

公認会計士の転職先について簡単に見ていきたいと思います。
監査法人からの転職を考えた際は以下の4つが主な転職先となります。
※前提として監査法人以外で考えております。

・ベンチャー企業
・コンサルティングファーム(財務・会計・戦略・経営等様々)
・事業会社(経理・経営企画内部監査など)

■会計士のスタートアップベンチャーへの転職について
ベンチャー企業では財務・会計の専門知識を持った人材の需要は大きい状況が続いています。
企業のステージや状況により求められる具体的なスキルは異なりますが、CFO等のポジションの募集は増加以降なので、チャレンジしたい会計士の方にとっては良い状況でしょう。

先のキャリアをどのように考えているかにもよりますが、ベンチャー企業では多くの業務を俯瞰して考えるスキルやビジネスに対する理解、そして会社を作っていく過程を経験できるので、こうした経験は今後のキャリアにも大きく活きていくこととなります。

■会計士のコンサルティングファームへの転職について
M&Aが活況なことから、これらに伴う財務・会計関連のコンサルティング会社やM&A仲介を行う企業、PMIに関するコンサルティング等において大きな需要があり、転職のチャンスは多くなっています。

大手のコンサルのみならず、中堅・中小規模の少数精鋭で行っているコンサルティング会社での募集も多いことから、M&Aに関わる業務に一気通関で関わりたいといったケースでの転職も増えています。

また、戦略コンサル等においても会計士の転職チャンスは増えており、特にポテンシャルが評価される20代中盤前後の会計士であれば、うまくハマれば転職することが可能で大きな経験値を得る機会も増えております。

■事業会社の経理へ転職
監査法人の会計士から事業会社に転職を希望する場合は、その業界の監査等を担当した経験がある場合には、更に採用されやすくなるという特徴があります。

注意が必要な点としては、事業会社へ転職する場合、監査法人と比べ年収が下がってしまうことです。年収を下げたくない場合は避けた方がよい転職先ということになります。
ただ、年収だけ見るのではなく、福利厚生や労働環境、先のキャリアなども鑑みて判断するのがよいでしょう。

最近は減りましたが、事業会社であればワークライフバランスが取りやすいとか楽しく仕事ができると思い込んで転職に失敗する会計士の方もいました。
事業会社と言っても様々ありますので、転職先企業の情報は十分取得してから転職してください。

■ワークライフバランスを意識した転職も
公認会計士が働く監査法人は一般的には激務と言われております。
通常はそうでもありませんが、決算期(3~5月)は忙しく、Gwもまともに休むことはできませんので、こうしたものが積み重なってくると転職を考え始めます。
また、最近はスタッフ層の残業規制がありますので管理職であるマネージャー層に業務が集中し、疲弊している方も増えています。

そうした様々な理由からワークライフバランスを目的とした転職も会計士では割と多いです。

ここからはワークライフバランスを中心にみた転職について簡単に記載します。

ワークライフバランス(仕事と生活の時間)は取れてますか?、
ワークライフバランスが取れている人は約70%

上記のようなアンケート結果がありますので、一見ワークライフバランスはとれているように感じます。
実際、昔に比べると監査法人でもワークライフバランスはとれるようになってきており、中堅・中小監査法人では兼業しながら働くことも可能です。

ただ、一方でワークライフバランスを求めて転職活動をされる監査法人勤務の会計士の方が多いのも事実です。

ここで問題になるのが、ワークライフバランスという言葉の定義が人によって異なるということです。

「ワークライフバランス」とひとくちにいっても、人により捉え方は異なります。
21時までに仕事が終わればワークライフバランスが取れている、と考える人もいれば、定時で帰れるということをワークライフバランスが取れていると考える人がいたりとその定義は人によりさまざまです。
定時帰りを奨励する会社は多くても、子育てのための休暇や託児サービスまで充実している会社はそう多くありません。具体化によって、そうした細かい視点を漏らさずに会社を探すことができます。

自分の要望を具体化する際に重要なことは、現時点での希望だけでなく、数年後の未来を見据えた望みについてもあらかじめ考えておくことです。

上記のような考え方が記載されているサイトがありますが、確かにその通りで、ワークライフバランスの基準が人により、ライフステージにより異なってくるのです。

そのため、転職エージェントを活用される方も多いかと思いますが、何が自分にとってのワークライフバランスなのか上手に伝えられるようにしておくと良いでしょう。

ただ残業が少ないだけでいいのか、子供との時間を多くとりたいのか、スキルを磨くために自由が利く風土が良いのかなどです。

■年収が下がる可能性があることは知っておく

会計士が監査法人以外へと転職する場合、年収が下がることが大半です。
FAS等の会計系のコンサルであれば落ちずに転職することも可能ですが、事業会社などへ転職する会計士も多く、その際は年収が落ちます。

年収にこだわりがある人は気を付けましょう。
なお、事業会社への転職でも、ある程度経験豊富で、企業の経営に近い職位での転職であればこの限りではありません。
ただ、ベンチャーのCFOだと900万円前後という年収も多いので下がる人も多いです。

■面接が下手くそ

全ての会計士に当てはまるわけではありませんが、コミュニケーション能力が少し低い方も多いなと感じることもあります。

せっかく高いスキルをお持ちでも、事業会社等ではコミュニケーション能力も重要視されます。
コンサルであればなおさらです。
ひたすら財務DDだけやってたい、みたいな人がいればそれはそれで有りかもしれませんが、基本的にはスキルアップ・キャリアアップを狙っている人が多いので、コミュニケーション能力(ワイワイ騒ぐとかそういうことではなく、伝える、提案する、協力できるといったことです)に関してはしっかり意識しておくと良いでしょう。

もっと噛み砕くなら、サッカーのルールを知らない人にサッカーのフォーメーションの話などをしても全く意味がわかりません。まずはサッカーのルールから説明する必要があります。



あなたが過去していた仕事に、専門性があるならば、余計にその業務内容を噛み砕いて説明する必要があります。

その説明しようとする姿勢だったり説明する能力がわかりやすいかどうかがコミニケーション能力だと思うのです。

上記のような記載を引用しましたが、会計士が会計業界以外のフィールドへと転職を考えた際は、会計士の特性について知らない方が面接官となることがあります。
一緒に働く仲間も、会計士ってなんかすごそう、くらいの感覚しかもっていないことも多いです。

そのため、しっかりわかりやすく説明できる能力と言うのはとても重要となります。

もちろん同じような仲間がたくさんいる会計系のコンサルファーム等であれば会計士としての業務経験とスキルがあれば面接は突破できますが、事業会社やベンチャーへの転職を検討するのであれば面接時に意識すると良いでしょう。

■新型コロナウイルスの影響

コロナウイルスの影響で、ベンチャー企業の求人は減ったように思います。
IPOも延期を検討するところが多いです。
そのため、ベンチャーCFOを目指す方にとっては選択肢が少なくなったかのように見えるかもしれません。

ただ、見方によっては、それっぽい雰囲気ベンチャーが淘汰されて、本当に強い企業が生き残っているという風に考えることもできます。

現在もCFOを募集しているような企業はビジネスモデルも財務状況も強いところが多いので、こういう時こそ良いところに転職するチャンスと言えるかもしれません。

  • 1