妊娠12週未満とそれ以降では、人工妊娠中絶手術による心やからだへの負担だけでなく、方法や費用も異なってきます。また、妊娠22週以降は処置をうけることができません。早期の妊娠の確認が必要です。
妊娠中絶の手術時間は5~11週の間であれば、わずかに10分で終わります。来院から帰宅までは最短で3〜4時間ほどが目安になります。
掻把(そうは)法は、日本では人工中絶手術のスタンダードな方法です。鉗子(かんし)と呼ばれる器具で、胎児や胎盤といった子宮の内容物をかきだします。
リスクとしては、めったに起こることではありませんが、医師の技量不足や子宮の状態によって、器具でかき出す際、子宮内に傷を負ったり、穿孔(せんこう)といって子宮に穴が開いてしまうことがあります。
吸引法では、吸引力のある機械で、胎児や胎盤といった子宮の内容物を吸い取る中絶手術方法です。うまく吸引できれば、出血が少ない方法とも言われていますが、まれに子宮内に胎盤の組織などが残ってしまうケースがあります。
手術当日は、食事・水分の制限があります。(食事をされますと、麻酔がかけられず手術が延期となります)食事:手術時間の12時間前まで、水分:手術時間の4時間前までに済ませ、それ以降はお控えください。
中絶手術のリスクが高まるのは、やはり妊娠してからの期間が長くなることがもっとも問題となるでしょう。
早い段階なら日帰り手術も可能ですが、12週を過ぎると数日間の入院が必要になりますし、手術を受けられる病院も限られてきます。
ピルは、女性が服用することで女性ホルモンを調整し、排卵をおさえる、子宮内膜を妊娠しにくい状態にすることなどで避妊します。婦人科の医師に処方してもらい、毎日一錠ずつ服用します。正しく使えば他の避妊法に比べて高い避妊効果があります。
コンドームは男性が装着して、精液を膣の中に出さないことで避妊する方法です。正しく使用しないと他の避妊法に比べて避妊率は下がりますが、比較的簡単に購入でき、性感染症の予防にも効果があります。
女性の基礎体温は、一般的に低温期と高温期にわかれています。
排卵を境に多くは低温期から高温期に、月経を境に高温期から低温期に移ります。
このリズムを利用し排卵の時期を知ることで、この時期の性交を控えて避妊します。
排卵日がわかれば翌々日からは妊娠の可能性はなくなりますが、基礎体温を計っていても排卵日を確実に見つけることは困難です。
また、体調に左右されやすいので注意が必要です。
あくまで補助的な方法と考えて下さい。
ほかの避妊法も一緒に使うことを考えてみましょう。
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